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2020/03/18 【ニュース】文化財の所在地図の掲載にあたって

 本日、各文化財のページに所在地図が掲載されました。そこで、この場を借りて、地図掲載にあたっての考え方などをお知らせしたいと思います。

 今回の地図の掲載は、文化財の具体的な位置を地図上に示し、利用者が文化財にアクセスしやすくなることを目的として行いました。これまでも文字による位置表記はありましたが、地図上に示すことで、文化財の位置がより分かりやすくなったと思います。
 しかし、文化財へのアクセスの向上は、よいことばかりではありません。一部の天然記念物の場合、所在場所が明確になることで無断採取が横行するようになる可能性があります。あるいは、近年頻発している仏像などの美術工芸品の盗難被害を助長するおそれもあります。

 利便性の向上と文化財への心ない行為の防止の双方を満たすため、地図の掲載にあたっては、次のようなことに留意して位置表示等を行いました。
1.位置表示の精度は2万5千分の1地形図相当の精度とすること。
 ※地図自体はもっと拡大できますが、拡大時の精度は確保していません。
2.寺社が所有している文化財の場合、規模の大きい建造物を除けば、所在地に関係なく、おおむね境内の中心、あるいは本堂などの目印になる建物に位置表示を行い、具体的な保管場所を示さなくてもよいこととする。
3.植物の自生地のように、面的な広がりがあるもの、場所を公開することで無断採取を助長するおそれがあるものなどは、おおよその位置を示すにとどめる。
4.一部の無形民俗文化財や無形文化財のように、位置を表示することが難しいもの、プライバシー等の関係上、現在も所在地等を表記していないものは地図を掲載しない。
5.重要伝統的建造物群保存地区は、地区の中心、あるいは代表的な建造物がある位置のうち1点を表示する

 このような考え方に基づいて地図を掲載しているため、一部の文化財に関しては、今回掲載した地図だけでは所在地に到着できないかもしれません。ただ、近くまでは来ているので、その先は地域の方に尋ねるなどして、現地までたどり着いていただく必要があります。

 家1軒1軒の形状までわかるほど拡大できる地図を使いながら、それに見合わない精度の所在地情報にとどめているのは、利便性の向上というプラス面と盗難等の被害といったマイナス面とをよく考えたうえでの決断です。
 多少、便利さは劣りますが、こうしたことを踏まえて地図を掲載したことをご理解いただければと思います。 (ι)



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