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2021/02/24 【ニュース】新指定の重要文化財建造物

 去る令和2年12月23日、新たに18件の建造物を国の重要文化財に指定することが官報に告示されました。当県でも、六連島灯台と角島灯台が新たに国の重要文化財に指定されました。そこで今回は、この2つの灯台について紹介します。

♦六連島灯台

 六連島灯台は、下関市の竹崎より渡船で20分ほどかかる六連島の北東部の丘の上に建つ灯台です。明治4年(1871)に竣工し150年近く使用されている現役のものです。灯台の下部に該当する灯塔と付属舎は石造、上部の灯室は金属製です。灯室は菱形の格子窓枠が設置されており、その上に12枚の銅板をリベットで留めたドーム屋根が載ります。明治初期にこれだけの技術を集約したものは灯台以外では大変珍しく、まさに近代建築の先駆けともいえます。
 築造にあたっては、政府が雇った英国人土木技師のリチャード・ヘンリー・ブラントンが指導監督を行い、ブラントンは滞在した8年の間で、30基の灯台の築造に関与しました。
 今回の指定では、下関市と関門海峡を挟んだ反対側、北九州市の部﨑灯台(明治5年竣工)も重要文化財へ指定されましたが、部﨑灯台とは使用するレンズの大きさが異なる以外に差異が見られず、類似の構造をしています。竣工時期が近いことから、同時に築造を進めたことが推測されますが、海峡の両側に同じ灯台が建っているさまは趣深いものです。

♦角島灯台
 角島灯台は、下関市の豊北町角島の北西端に建つ灯台です。六連島灯台と同様にブラントンの関与するもので、現在も使用されています。角島大橋の開通後、角島の観光名所の1つとなっていることから、御存じの方も多いのではないかと思います。
 竣工は明治8年(1875)、灯塔と付属舎は石造、灯室は金属製で、六連島灯台と同様に菱形の格子窓枠とドーム屋根が設置されています。高さは29.6mあり、当時の石造灯台の中では最も高いものでした。通常、石造の灯台は、外壁を白く塗装しますが、この角島灯台は塗装せず、石の素地を活かした彩色となっているのも特徴です。
 築造から150年近く経過しており、高さも高いことから、耐震性が懸念される方も多いのではないかと思いますが、現在では灯室内に免振装置が組み込まれ、外壁の石積も補強されていることから、耐震性能は確保されています。
 内部は一部を除き一般開放されており、灯室に取り付くバルコニーまで観覧することができます。このバルコニーからは角島の全景が見渡せることから、展望台として地域の観光へも貢献しています。

 六連島灯台は数年に1回程度、角島灯台は通年で、内部を一般公開していますので、機会があれば是非ご覧いただきたいと思います。(t)



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