小学校の教科書にも登場する歴史上の有名人、聖徳太子。その師であり、高句麗から来日した恵慈和尚(えじわじょう)の創建と伝わる古刹が、熊毛郡平生町の般若寺です。
般若寺には「恵慈和尚像」と伝わる彫刻が残されており、今回、この彫刻を山口県指定文化財に指定することができました。
この像は平安時代後期の作と考えられ、具体的な作者を特定することはできませんでしたが、畿内の優れた仏師の作と考えられます。当初は恵慈和尚をモデルとしてつくられたわけではなく、僧侶の手本として、また寺を守護する者として信仰された像である聖僧像(しょうそうぞう)としてつくられたと考えられることから、文化財の名称は「木造聖僧坐像(伝恵慈和尚)」としました。ただし、この像が「恵慈和尚」と認識されていたことは般若寺に伝わる古文書(古文書には「当山開基恵慈和尚御影」と記されています)から確認でき、少なくとも江戸時代以降は「恵慈和尚像」として大切にされてきたことがわかります。ヒノキ材と思われる一木造りで、像の高さは70.7cmです。
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