一般向け 説明 | 須佐唐津古窯跡群は、須佐湾から南東へ約3.8㎞入った犬鳴山の北麓にあり、古くから須佐唐津窯とよばれる三基の登窯(のぼりがま=斜面につくって効率よく熱が行き渡るようにしたもの)とこれに付随する地域からなる。窯が築かれた年代は不明であるが、操業期間は江戸時代初期から大正末期に及ぶ。 堆積していた陶磁器類に見られる技法や器の種類・形の推移により、須佐唐津窯の実態を知ることができる。特に江戸初期の製品には渡来した朝鮮陶工による技法を受け継いだ陶器のほか、国産としては最も早い青磁器があることに注目される。萩焼の窯の始まりとほぼ同時期に須佐唐津窯が始められながら、萩焼の成立とは異なる歴史をたどったと推定され、山口県下における近世の焼物の歴史を解明する上で数多くの貴重な資料が得られる。 現在、窯には合成樹脂による崩壊防止の保存処理が行われている。 |