一般向け 説明 | 山口市陶にある陶窯(陶器を焼く窯)の跡。陶の地名のとおり、ここで産出する良質の粘土を原料として、古く須恵器を製作していた。須恵器は5~6世紀の古墳に多く副葬されている大陸系技術による素焼きの土器で、祝部(いわいべ)土器ともいう。 この窯跡は6世紀ごろのものと思われる。丘陵の傾斜地に南面して存在し、全長約 9m幅は奥壁のあたりで約1.2m、天上の高さは約1m。下方の焚口部は埋もれているが、奥壁に近い部分は天井部も残っていて、煙出しの穴もあり登窯(のぼりがま=斜面につくって熱が効率良く行き渡るようにしたもの)の構造がよくわかる。天井部も残存する須恵窯としても全国的に珍しく貴重である。1936年(昭和11)に発見され、内部から多数の陶器片が出土した。この種の窯跡は付近一帯に広く分布しており、古くから製陶所跡として有名である。 |