一般向け 説明 | 峠山の須恵器窯は長門市油谷との境に近い日置峠山にある。標高200mの丘陵北斜面に築 かれた登窯(のぼりがま=斜面につくって熱が効率良く行き渡るようにしたもの)の跡。窯の内部は斜面の上端に煙道があり、下の端に焚口を開く。 1968年(昭和43)発見されたときには既に窯の内部は埋没しており、更に遺物の一部を採集した段階で再び天井部が崩れ落ちた。現状は開口部の幅1.5m、高さ0.7mの窯の壁や灰色の土を観察できる程度で、窯全体の様子を明かにすることはできない。 窯の中は焚口の奥から4.3mまでの範囲で杯や壷などが完全な形で見られたが、開口部に近いものほどよく焼けており、奥へ行くにしたがって焼け方が不十分なことから、この窯が須恵器を焼いている時に崩落して、そのままの状態であることを物語っている。 遺物の形から古墳時代後期から奈良時代にかけてのものと思われ、この時期の窯の構造を知るうえで重要。 |