一般向け 説明 | 百谷窯跡は山口市小郡下郷の石槌山の標高75mの急斜面に築かれた須恵器窯跡。窯の形態と 出土した土器類とから平安時代以降に造られたと推定されている。窯は全長約 6m、床の幅 1.8m、天井は破壊されているが、半地下式で推定の高さ約 1.5m。床面の傾斜角は平均約 30度。奥の壁あたりから煙出しの道にかけては山の斜面の急角度を利用している。全体の規模は古代の登窯(のぼりがま=斜面につくって効率良く熱が行き渡るようにしたもの)としてはやや小さい。 この窯跡の山一つ隔てた南東には国指定史跡陶陶窯跡がある。ともに、鋳銭司の役所やこの地方一般に広く製品を供給したと考えられる。 百谷窯跡は、その全体の構造を知り得た点で県下にほかに例がなく、平安時代の窯を特徴づける窯跡として貴重。窯跡からの出土品は山口市小郡文化資料館に保管。 |