一般向け 説明 | この遺物は、熊毛郡田布施町にある明地遺跡から出土した。 分銅形土製品は、天秤の錘(分銅)形の板状の土製品で、片面に人の顔面がある。 弥生時代中期~後期に盛んに使用され、西日本を中心に約300の出土例がある護符か仮面として使用された祭の道具と推定される。出土状況は破壊され、顔面を伏せて埋納されていることに共通性がある。 この遺物も、弥生時代中期(紀元前2~紀元前1世紀) の土坑(地面を掘りくぼめた穴)の底に裏向きで、二つに折れて埋納されておる。寸法は最大長21.8㎝、最大幅16.4㎝、最大厚3.1㎝をはかる。 分銅形土製品としては、わが国最大の物であるうえ、原形をよく保ち、うるわしい顔の表現は弥生時代の造形物として高く評価できる。 |