一般向け 説明 | 煉瓦及び鉄筋コンクリート造(カーン式)、2階建地下1階。建築面積578.129㎡(付属屋69.038㎡を含む)。 正面など外壁の主要部は、徳山産花崗岩で仕上げるが、他は擬石モルタルとする。内壁及び天井は漆喰塗で、格天井や柱頭などに石膏彫刻を施す。幅木腰羽目は、1階には常陸産縞蝋石、2階には常陸産白寒水石を用いる。大階段は槻造。 1階は、吹抜けの客溜・営業室、応接室、金庫などが、2階は、四周を歩廊が巡り頭取室などが、さらに地階は、貸金庫、ボイラー室などが、それぞれ設けられる。 正面付柱の柱頭は、イオニア式とコリント式を組み合わせたコンポジット式で、軒廻りには牛頭の彫刻を施し、中央に大きな櫛形ペディメントを設けるなどイタリアルネサンス様式のデザインが外観をなしている。 本件は、大正9年(1920)三井銀行下関支店として竣工、その後、昭和8年(1933)百十銀行本店、同19年山口銀行本店となり、同44年山口銀行別館などとなって今日に至っている。 営業室中央の小屋裏に棟札があって、設計が長野宇平治(1867-1937)、施工が竹中工務店であることが判明する。長野宇平治は、日本銀行技師など歴任したヨーロッパ古典主義様式の建築家であり、日銀のほか多くの銀行建築などを手がけたほか、日本建築士会初代会長を務めている。 なお、背面西側の付属屋(便所)は昭和9年の増築である。 平成16・17年に、耐震補強と創立時の姿に復原修理(風除仕切・営業台など)する工事が行われている。 正統的な古典様式で建てられた長野宇平治の代表的な建築の一つで、構造やデザインにも時代的特色がよく現れており、本県を代表する近代銀行建築である。また、下関市唐戸地区に遺る近代洋風建築群の一つでもあり、所有者の保存と利活用に対する取組みも積極的である。 |