一般向け 説明 | 桁行(けたゆき)11.65m、梁間(はりま)6.1mの木造2階建て、東西に増築部分を持つ瓦葺きの擬洋風建築である。 2階北側に手すり子を巡らせた3連続アーチのベランダを持ち、2階の上には塔屋を載せている。また、外壁が下見板張りであること、左右対称に縦長窓を配していること、窓枠には鎧戸を取り付けていた痕跡が認められることなど、外見上、明治初期の居留地の洋風建築に通じる特色を持つ。 一方、外観とは対照的に、小屋組は和小屋であり、地方における洋風建築の様子をよく示している。 正確な建築年代は不明であるが、諸資料から明治20年(1887年)前後に旧士族の松原繁が写真館として建築したと考えられ、地方における市民生活の近代化を象徴する貴重な建造物の一つである。 また、建築当時から今日まで、所有者を変えながらもおよそ120年にわたり写真館として使用され続けたことは、国内においても他に例が無く、建築当時の原形をよく留めている一因でもある。 |