一般向け 説明 | 1月14日夜、子どもたちが集落の家々を1軒ずつまわり、持参したワラウマ(藁馬)と供物とを交換し、家内安全や無病息災、五穀豊穣などを祈願する小正月の訪問者の行事である。 子どもたちは、訪問先の家の前にくると、ワラウマを笊に入れて玄関先に置き、全員で「とい、とーい」と大声で叫び、急いで物陰に隠れる。やがて、家人が出てきてワラウマを受け取り、代わりに餅や菓子などを供物として笊に入れると、子どもたちは家人に見つからないようにそれを持ち去る。 あらかじめ玄関に用意した水を、柄杓ですくって子どもたちにかけようとすることもある。この水を浴びると縁起が悪いなどといわれており、子どもたちは水を避けながら、供物を持ち去ろうとする。 各家では福が舞い込むように、もらったワラウマの頭を家の内側に向けて神棚や床の間などに1年間供えておく。 中国地方でトイトイ、トロヘイ、トヘトヘなどの名称で伝承されてきた小正月の訪問者の行事の典型例の1つであり、こうした行事の特色や変遷を考える上で重要なものである。 また、この種の行事のほとんどが一時期中断している中国地方において、継続して今日まで伝承されている稀少な事例でもある。 |