一般向け 説明 | 下関市長府川端町功山寺境内にある。桁行・梁間とも三間、一重入母屋の屋根に裳階(もこし)がついた桧皮(ひわだ)葺の二重屋根の建物である。内部の柱に「此堂元応二年(1320にあたる)卯月五日柱立」の墨書があり、鎌倉時代の建築とされている。鎌倉時代から建築様式に和様(わよう)、禅宗様(ぜんしゅうよう)、大仏様(だいぶつよう)の三つの手法が行われているが、この仏殿は純禅宗様で造られている。禅宗様の特色は、柱の上下部が急に細まり、粽(ちまき)という曲線をつくること、軒下の柱の間に結組といって組物が多く置かれること、軒下の垂木が扇垂木といわれるように放射状に配置されること、窓が花頭窓といわれる特殊な曲線をもつこと、高さの異なる部分をつなぐために、えび虹梁という曲がった梁を用いることなどがあるが、この建物はそれらの手法が凝らされた純禅宗様建築である。建築年代のはっきりしている禅宗様建築ではこの仏殿が日本最古のものであり、日本建築史上重要な地位を占める貴重な建物である。 |