一般向け 説明 | 住吉神社は下関一宮町に鎮座の桁行22.8m、梁間4.6m、檜皮葺の古社本殿である。今の本殿は1370年(応安3)に大内弘世が造営したものである。本殿は一間社流造りという形式の五つの社殿と、相の間をもって連結したもので、柱間が九つある九間社流造りという、他に例のない珍しい形式である。五つの社殿の各正面には、千鳥破風という小さい屋根がつけてあって、流造りの特異な形式をつくっている。軒軸廻りの細部に見られる手法は優秀で、向拝正面の束の一種である蛙股(かえるまた)の彫刻はよく時代をあらわしている。また内部の板壁には、彩色された絵が施されていて美しい。各社殿内には玉殿があり、五基とも同一意匠で、本殿の建築と同時代のものとおもわれ貴重である。この本殿は流造り(ながれづくり)の社殿として異例であるばかりでなく、構造意匠のよくまとまったものとして貴重である。なお本社には、江戸時代に上葺などの修理をした際の棟札が四枚存していて、附指定とされている。 |