一般向け 説明 | 山口市八幡馬場の今八幡宮の境内に建つ桁行5.92m、梁間4.46m、一重切妻造りの妻入り、屋根はこけら葺の本殿である。屋根の棟は楼門の上の屋根下によく納まり、本殿側には同じ幅の釣屋が付いていて、本殿の向拝につづいている。床は本殿の木階下段と、拝殿床の高さが同じで連結している。内部の天井は化粧屋根裏で、左右の向かい合いの柱上には大きな虹梁(こうりょう)がかけてある。両方の妻の中央に蛙股が一個づつあり、ぼたん唐草の彫刻がある。拝殿が本殿にくっつけて造られていることは、17世紀以後の神社建築に多くなる権現造り(ごんげんづくり)の先駆的なものである。山口地方の神社には同形式のものが多くあるが、この今八幡宮がもっとも古い例である。この拝殿の建立は、本殿と同時代、室町時代中期、15世紀末頃である。 |