一般向け 説明 | 萩市北古萩にある長寿寺本堂に向かって左側にあり、花崗岩製で相輪は失っているが、他は当初のまま残っている。 高さは相輪を除き5.45mあり、実に堂々とした石塔である。下層の軒の一辺は1.17m、最上層の軒の一辺は0.75mである。厚い軒、両端の力強いそりは申し分のない鎌倉後期の様式である。 低平な基礎は安定感がある。初重軸部には金剛界四仏の梵字があり、この梵字は雄大で刷毛書薬研彫りの鎌倉時代の手法をよく示している。地方臭のない作で、近畿地方で作られたものであろう。基礎の一面に銘文をけずったあとがあり、嘉元四年(1306)四月と、造立年代の所がわずかに読むことができる。この塔はもと長門市油谷向津具の二尊院にあったものを、江戸初期、長州藩の重臣榎本伊豆が萩へ引取り自邸に建て、その後商人の熊谷浄味が貰いうけ長寿寺に建立したものと伝えられる。 |