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文化財の概要コンテンツ

文化財名称えひめあやめじせいなんげんちたい
エヒメアヤメ自生南限地帯
指定国指定
市町防府市区分記念物時代
一般向け
説明
 エヒメアヤメは、アヤメ科の多年生草本である。朝鮮半島、中国東北部など寒い地方に多い北方系の植物であるが、大陸と海を隔てた本州西部、四国、九州に点々と自生しており、自生の南限地帯となっている。西浦(佐波川河口の田島山南西端の1カ所)は南限地帯の一つである。エヒメアヤメは氷河期に日本列島がアジア大陸と陸続きだったことを示す植物学的な証拠として貴重であり、大陸系遺存植物のひとつである。
指定当時、エヒメアヤメはアカマツとクロマツの疎林内で、下層のヒサカキ、ヤマツツジ、ケネザサ、ススキとともに、やや乾燥した場所に多く生育していた。松林での松葉等の燃料採取やススキの採取などの人的な森林利用により日当たりのよいエヒメアヤメの生育に好都合な環境が維持されていた。
時代とともに、燃料採取の必要がなくなり、松林は放置され、遷移により常緑広葉樹林に変わったため、エヒメアヤメの生育環境が失われ、生育株数が激減した。一時は絶滅の危機もあったが、保護団体や地域の人々の努力により、現在では、指定地内において、四月中旬に多数の株が青紫色のかれんな花を咲かせている。指定地内は、保護団体が下草刈りを実施し、フェンスを設置して盗掘から守っている。陽性植物で草丈が低いため、他の植物におおわれて光の量が減ると死滅してしまうエヒメアヤメと人間との新たな共生関係がつくられているのである。
小学生向け
説明
 エヒメアヤメはアヤメの仲間ですが、草丈(くさたけ)は低く、四月中旬に青紫色のかれんな花を咲かせます。
 このエヒメアヤメが自生している場所は、小高い丘のすこしかわいた北向きの土地で、ササ、ススキなどとともに生育しています。光を好む植物で、他の植物におおわれて光の量が減ると死滅(しめつ)してしまいます。
 エヒメアヤメは、中国や朝鮮半島などの寒い地方に多い植物です。ここのエヒメアヤメは、むかし日本が寒かったころに生育していたものが、いまも残って生きつづけているものです。
画像<エヒメアヤメ自生南限地帯>縮小画像(オリジナル画像表示リンク)

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