一般向け 説明 | 峨嵋山(標高117m)は本土と砂堆でつながれた陸繋島であるが、現在は完全に陸地化して瀬戸内海につきだした半島となっている。峨嵋山の樹林は、暖地性の常緑樹林よりなる瀬戸内海西部沿岸の代表的な樹林として指定された。植生はおおむね二次的なアカマツ林であるが、杵崎神社付近にはコジイ群集があり、その他、リンボク、ウラジロガシなどの暖地性の植物を混じえていた。 現在は、海に面した絶壁の崖地に、天然のアカマツ林が残っているが、多くのアカマツがマツクイムシ等により枯死し、暖温帯の本来の植生である常緑広葉樹林へと遷移している。 主な常緑広葉樹は、コジイ、ウラジロガシ、アラカシ、ヤマモモなどである。ミミズバイ、カンザブロウノキ、クスドイゲ、ツルコウジ、オオカグマなどの植物も注目される。 瀬戸内海沿岸の山林は、昔から地域の人々に燃料や材を得るために利用され、田畑に開墾されてきた。そのため、自然植生が見られるところは少なく、暖地性常緑広葉樹を多数含むこの樹林は、瀬戸内海西部の本来の植物を知るうえで貴重である。 |