一般向け 説明 | 錦川の支流の根笠川の左岸、川から谷沿いに約300m登ったところにある。錦川流域に広く分布する約1億5000万年前に堆積した地層の小さな石灰岩体にできた石灰洞である。 洞口は護聖寺(ごしょうじ)の前から約10mの石段を登ったところにあり、洞窟は北東から南西方向の割れ目に沿ってできている。洞口から幅1~2mの石段があり、約7m登ると広間となる。広間は幅約6m、奥行き約13m、天井高は約12mと規模は小さいが鍾乳石(しょうにゅうせき)及び石筍(せきじゅん=天井からの水滴でできる竹の子のような石灰生成物)はよく発達している。 この広間の正面にある高さ約4mの石筍の上に、安置した年代ははっきりしないが、高さ85cmの木造の観音像が安置されている。この像は、天井から落ちる石灰分を含んだ水で石のようになり、色も周囲の石筍と区別ができないが、目・鼻・口・耳などは明瞭に認められる。観音像は弘法大師の作といわれ、厚く信仰されて参詣者が絶えない。 |