一般向け 説明 | 「吉部の大岩郷」は西吉部の大棚集落西方約1kmにある。「岩郷」は岩海の方言で、岩海とは無数の大きな石(巨礫)が重なり積もったものをいう。3haの広さに、長径0.5~4mの巨れきが、厚さ数mほど積もっている。幅10~40m、奥行き150~200mの部分がよく観察できる。巨れきは深成岩のせん緑岩からなり、付近の山地の岩石と同質である。 岩海の成因については、寒冷ないし乾燥気候のもとで、岩石が割れ目から風化が進んで大小のブロックに分かれ、風化しない部分が巨れきとなって残っているという説が有力であるが、定説には至っていない。現在でも、巨れきに割れ目ができ小さく分かれているものがある。巨れきの間は、湿気を保っているので、シダやコケ類が繁茂している。また、岩海では、巨れきがじゅうぶんに陽光を受けて温度が上昇するので暖地植物も見られ、植物学的にも興味のある場所である。 |