一般向け 説明 | 「万倉の大岩郷」は、美祢市奥万倉の奥屋敷集落から南東約1km、金比羅山南の緩い斜面にある。「岩郷」とは大きな岩(巨れき)がごろごろと重なり合った様をいったもので、岩海ともいう。大きさ1~6mの深成岩の一種のせん緑岩の巨れきが、厚さ数m以上、広さは27haに堆積している。標高300m付近に、幅100m、奥行き150mの範囲でよく観察できる。巨れきの大きさ、岩海の広さともに吉部の大岩郷より規模が大きい。 巨れきは、近くの山地と同じ岩石であることから、遠方から運ばれたものではなく、現地のものであるといえる。岩海の成因は、岩石に割れ目(節理)ができて風化が進み、分離された岩塊が集積したものといわれるが、不明な点もある。岩海は暖まりやすく、巨れきの底には地下水流もあり、それらの特異な条件による特有の植物が生育している。吉部の大岩郷とともに、巨人にまつわるユーモラスな民話が残っている。 |