一般向け 説明 | シナナシはナシ科の落葉高木性の果樹で、屋代島の南海岸に位置する安下庄の集落の北西約1km、嵩山(標高618.5m)の南のふもと、標高約100mの傾斜地にある民家の庭先に生育する。 このナシは中国山東省北部原産のシナナシ(チュウゴクナシ)のツーリーに似た品種である。四月上旬に白い花をつけ、果実は九月下旬~十月中旬に熟す。形は西洋ナシに似て、長径約8.5cm、短径約6cm、重さは170~175gである。正式な品種名や、この地へ運ばれてきた経緯は不明であるが、300年前に中国から持参したナシの種子が芽を出したものといわれている。ツーリーは芳香があって甘みに富み、中国では有名な品種であるが、国内にはここにしかなく、学術的に価値があるとして指定された。 指定時の原樹は、高さ約17m、根元の周囲3.8m、目の高さの幹周り2.3mで、樹齢約 300年余りと推定されたが、昭和46年に枯れた。現存する幼樹は、つくば市にある農水省果樹試験場が原樹を接ぎ木によって保存していたものから苗木を得て、昭和63年3月に植えられたものである。2000年(平成12)11月現在、高さ約5m、地上から1mの幹の周囲約20cmである。 |