一般向け 説明 | 山口市古熊一丁目の古熊神社の所蔵である。掛幅装で、寸法は縦108.0cm、横37.5cm。画面中央に向って、左やや斜向きに束帯姿で、両手で笏を抑え、円座に坐す天神を描き、上部には右より突出した梅の枝を配し、下辺は岩に小さい滝と水波を描く。 上部左よりに得巌の賛がある。この賛によると、この絵は大内盛見が永享元年(1429)11月に京都から帰国するに際し、惟肖得巌に願って賛を得て持ち帰ったものであることがわかる。得巌は大内盛見と親しく、彼のために大先説を書し、また盛見の創した詩跋を贈っている。得巌は五山文学史上その名が高く、特に画幅に着賛したものはたいへん多い。この幅は彼が70歳の時の書で、晩年南禅寺の雙桂院に退住していた頃のものである。 |