一般向け 説明 | 吾妻鏡は1180年(治承4)より1266年(文永3)の87年間の鎌倉幕府の記録で、鎌倉時代の研究にはなくてはならない資料である。 本書を書写した右田弘詮は大内政弘の重臣で、陶晴賢の祖父陶弘護の弟にあたる。1479年(文明11)には急死した兄弘護に変わって筑前守護代になっている。本書奥書によれば、1500年頃に弘詮が42冊の写本の元本を手に入れ、脱落箇所を補い、新たに年譜1冊を加え48冊としたことがわかる。 本書は全巻すべてが弘詮の手になり、書写年代が確実なこと、その内容に誤字脱落の少ない点において、北条本と並んで古い写本の中でも優れたものである。 大内氏滅亡後、大内氏の文学関係書の多くが毛利氏の手に移った。本書は特に文学を愛好した吉川元春が譲り受けたものらしく、「吉川本吾妻鏡」と呼ばれている.。 |