一般向け 説明 | この舟は、阿武郡田万川町江崎湾奥の海岸に埋まっていたものである。材料はもみの木で、大木一本をくりぬいて作った丸木舟で、ほぼ完全な形で残っている。全長は7m、幅は広い所で83㎝、外側の深さは53㎝である。 舟首部は高くしてあり、舟つぎ用に綱を通すためのくり残しのつき出た所があり、また、左右の舟ばたに三ケ所の横木の差し込み用の穴を作っているが、これらはいずれも日本海の荒波に耐えられるように工夫されたものである。 ともなって出土した遺物には、舟中より両端に切りこみのある菱形の網の浮(長さ29㎝、幅10㎝)、木片2個、舟底には、杉丸太、くい数本が出た。舟をつないだ状態のまま埋まったものと考えられる。 製作年代は不明であるが、古い記録「萩古実未定巻之覚」によれば、江戸時代中期の元禄時代にも、萩の漁師は丸木舟を使用していたとの記事がある。 |