一般向け 説明 | 防府市防府天満宮に蔵されている。ヒノキ材で、頭部と胴を一木で彫出し、両手は肩から胴に接合している。ひざは横木をもって胴にはぎあわせてつけている。像高は97.6cm。大日如来は真言密教の仏像で、金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)の二種があるが、この像は胎蔵界の大日で、両手をひざの上に置き、法界定印(ほっかいじょういん)という形に指をくんでいる。顔の張りがあり、胸も豊かで、両腕の肉付きもよく、この像の制作の古いことを物語っている。頭に天冠台(てんかんだい)が彫ってあるが、その上にあった宝冠は失われている。胸飾、ひじくしろ、腕くしろは彫り出されている。体にまとう衣の衣紋(えもん)は風化して見定めがたいが、その刀法は浅く温和で、制作の年代は平安時代中期の10世紀頃と見られる。 |