一般向け 説明 | 萩市大照院に安置されている。ヒノキ材の寄木造りで、玉眼(ぎょくがん)、彩色像である。赤童子(あかどうじ)は、天孫降臨のときの使者、春日大明神の姿であるといわれている。目を見開き、口を大きくあけ、右手は杖を持ち、左手を握りしめている姿は、大声で人々を叱咤(しった)するように見える。しかしその顔は恐ろしいというより、むしろ可愛らしい感じである。像高は81.4cm。頭上の冠は当初のものが残っていて貴重である。顔や手の筋肉の動きは写実的に表現されており、像全体の均整もよくとれている。袖口の反りや後方になびく裾(すそ)にすこし厚ぼったい感じがあり、中国宋時代の彫刻の影響を感じさせる。鎌倉時代末の作と考えられる。赤童子の彫刻で重要文化財に指定されているものは、全国でこの一体のみである。 |