一般向け 説明 | 周防大島町油宇の浄西寺境内にある。安山岩の自然石で作られている。阿弥陀、観音、勢至の三尊碑として三基あったものが、勢至碑は失われ、現在二基残ったものである。阿弥陀碑は上端部が欠失していて、現在の高さは地表から175cmである。幅は最大で42cm。銘文は「□□阿弥陀仏 建仁二年才次壬戌 十一月下旬 造立願人 大宅正国 女施主清原氏」とある。観音碑はほぼ完全な状態で、高さは地上から172cm、横幅中央部は35cm。銘文は「(梵字)南無観世音菩薩」とある。観音碑の無、菩薩の文字は異体である。観音碑の上方の梵字は増長天を示すものである。銘文により1202年(建仁2)に大宅正国とその妻清原氏が建立したことがわかる。この碑は山口県下の石造遺品の中で、年号のあるものでは最古のもので貴重である。また文字も申し分のない古調であって良い。 |