一般向け 説明 | 防府市本橋町護国寺の境内にある。凝灰岩製で、基礎19cm、塔身50.5cm、笠16cm、露盤3.5cmからなり、当初のものとしてよく揃っている。上部にある受花宝珠は別のものである。受花宝珠を除く高さは89cm。平面は各部分とも長方形である。基礎正面は三区側面は二区に分けて、それぞれ線刻の月輪内に梵字「ア」を陰刻している。塔身は下方に連子と三巴文を交互にめぐらし、上部には蓮坐上に月輪を置き、弥陀三尊を平底彫りであらわす。背面は蓮座上に八葉蓮花を作り、胎蔵界の中台八葉院としている。その下方に銘文があり、貞永元年(1232)に刑部中子の供養の為に建立されたことがわかる。笠は寄棟造りになり、軒反りはゆるやかである。蓮華や梵字の形式、笠の反りなどすべてが鎌倉時代中期の手法がよくあらわれていて、小形ながら優秀な石造遺品ということができる。 |