一般向け 説明 | 縦33.2㎝、横56.4㎝、高さ10.7㎝の「文台」と、縦25.7㎝、横12.3㎝、高さ 8.6㎝の「硯箱」の一式。どちらも、梨子地(なしじ=下地の漆の上に金や銀の粉を蒔き、その上に透明な漆をかけて研ぎ出して、梨の実の肌に似たようにしたもの)に、松の樹とそれに絡む藤、流水や雲が高肉や薄肉の蒔絵で表されている。主題の画面を一方に片寄せた表現は室町時代の一傾向を示しており、文台の四隅下の猪目(いのめ)を透かした葉状刳形(くりがた)の脚や懸子(かけご)付きで合口造りの硯箱の形式など唐様を取り入れた特異な例である。 一式として作られたもので残っている数少ない貴重なもので、懸子には、梨子地に藤の花の蒔絵が描かれた柄の付いた墨柄(すみつか)・刀子(とうす)・錐子(きりこ)が納められている。大内義隆が奉納したものと伝えられる。 |