一般向け 説明 | かつて萩城内にあった毛利家代々の鎮守社宮崎八幡宮(現在は、防府毛利邸内にある)に奉納された太刀拵。全長93.2㎝、柄の長さ23.5㎝、鞘の長さ70.1㎝、鐔の長径8.0㎝である。金具は、全体的に金銅の魚子地(ななこじ=粟粒を並べたように細かい粒を突起させたもの)に桐と唐草文が彫り表されている。白鮫皮に包まれた柄や分銅の形をした鐔などに、唐風の飾り太刀拵としての特色が見られる。鞘の中央部は黒漆塗りの地に螺鈿(らでん=貝細工)と金具で、向かい合って飛んでいる鳳凰を1対として3組が表され、刃方と棟方は梨子地(なしじ=梨の肌のように見える)に桐文や唐草文が蒔絵で表されている。 製作者は分からないが、豪華な中にも細やかさが見られる美しいもので、江戸時代中期の作品として美術的にも工芸的にも価値が高い資料である。 |