一般向け 説明 | 毛利元就の長男で、武事だけでなく文事をも嗜好した毛利隆元を偲ばせる遺品。黒漆を盛り上げて塗った本小札を白・紅・縹(薄い藍色)の色糸で威(小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと)した「縹糸胸紅白威胴丸」や、剣鍬形の付いた六十二間星兜(兜鉢のはぎ合わせ部分を頭の大きい鋲で留めている)などは、戦国武将としての隆元を偲ばせる。扇子や絵画は、文人としての隆元を偲ばせる。自筆の「白鷺図」や「枇杷に鷹図」は、雪舟の画風を継いだ画学修行の一端を示すものとして、文化史的にも興味深いものである。 隆元は、幼くして大内義隆のもとに人質として出され、山口の築山館で元服した。のちに毛利元就の嫡男として各地で奮戦したが、1563年(永禄6)8月、出雲出陣の途中で急逝し、元就を嘆き悲しませた。 |