名称関連 | 文化財名称 | 周防・長門の辻堂の習俗 |
要録名称 | 周防・長門の辻堂の習俗 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択されたもの」 |
指定年月日 | 【選択年月日】 昭和59年12月20日 | |
所在地関連 | 所在地 | 山口県 |
所有者関連 | 所有者 |
【趣旨及び内容】
山口県下には、今日でも辻堂、お堂、休み堂、地蔵堂、薬師堂、観音堂、大師堂、釈迦堂、阿弥陀堂などと呼ばれる吹き抜けないしは三方を板囲いした簡素なお堂が広く分布しているが、これらの詳細は充分に周知されていない。又、これらは旧道に沿った村里近くに建つものが少なくなく、地像尊、薬師如来像、弘法大師象、釈迦像、阿弥陀如来像などを安置している。かつては村人達によって日常の社交・親睦の場として利用されたり、講中によって勤行がなされたり、盆供養が営まれたり、道行く人々の休憩所となったり、旅人にお茶の持て成しがされる等して信仰の場となってきた。
この地方の辻堂の習俗は、庶民信仰の実態と推移を知る上で貴重で、今日では社会の急速な変化に伴い衰滅しつつあるために記録保存するものである。
なお、この辻堂の習俗と同系のものでは、昭和52年度以来、土佐の茶堂の習俗ほか6件が選択されている。 (「月刊文化財」1985年1月号 参照)
昭和59年12月14日、国の文化財保護審議会が文化庁長官に対し、「周防・長門の辻堂の習俗」を、「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として選択するよう答申した。
これは、庶民信仰の場になってぃる県内の辻堂の習俗が、社会の変動に伴い衰滅しつつある現状にかんがみ、記録で保存して後世に伝えようとするもので、この結果、昭和60年度に、国(文化庁)により記録作成が行われた。
山口県内では、無形の民族文化財の記録選択は7件目、同じく国による記録作成は、「蓋井島『山の神』神事」(昭和34年度記録作成、1966年3月刊「『やま』の神事―蓋井島・播磨総社―」無形の民俗資料記録第4集に収録)につづいて2件目のことである。
記録作成は、昭和60年度に、山口県民俗文化財研究会(会長吉武康昌)が、その委託をうけ、「周防・長門の辻堂の習俗―記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財―」と題して、文化庁文化財保護部伝統分化課あてに、報告書が提出された。
昭和60年度 記録作成(国)
昭和60~61年度 未指定文化財総合調査(県)
昭和61年度 「つじどう 周防・長門の辻堂の習俗」(未指定文化財総合調査報告書第5集)刊行(県、1987年3月刊)
昭和62年10月27日 有形民俗文化財として芦河内薬師堂(楠町)の県指定(本書-追(3)37-頁参照)
(参考)「民俗学的にみた『辻堂』の習俗」(湯川洋司 「山口県文化財」 第16号、1986年3月刊)
「辻堂の建築及び景観調査」(坪郷英彦 同前)
「近世防長の他誌類における『辻堂』の用語例」(山田稔 同前)
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