名称関連 | 文化財名称 | 木造獅子狛犬 |
要録名称 | 木造獅子狛犬 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 有形文化財(彫刻) |
指定年月日 | 平成12年3月31日 | |
所在地関連 | 所在地 | 山口市吉田2244 |
所有者関連 | 所有者 | 宗教法人 平清水八幡宮 |
本件に関わる古い記録は、『防長風土注進案』(19世紀半ば成立)を最初とし、平井庄・吉田郷・恒富保の冊の平清水八幡宮の宝物の項に「随身 獅子 高麗狗」と見える。このほか本件にまつわる資料は見いだせない。
平清水八幡宮は、大同4年(809)宇佐八幡宮より勧請と伝える古社で、徳治3年(1308)の藤井光永譲り状が伝存するほか、現本殿(3間社流造、桁行6㍍余、梁間5㍍余)は、室町時代中期にまで溯るものと考えられており、重要文化財の指定を受けている。また、本件の近くに安置される随身像一対には、応永23年(1416)に彩色をした旨の墨書があり、山口市指定文化財になっている。
(1)形状
○獅子(阿形) 顔をやや左に向ける。開口、歯牙と舌を表す。耳を寝かせる。鬣を表し、前肢を立てて蹲踞する。
○狛犬(吽形) 顔をやや右に向ける。閉口、歯牙をむく。頭頂に角1本を表し、耳を立てる。鬣を表し、前肢を立てて蹲踞する。
(2)品質・構造
各檜材、一木造り、白下地彩色、彫眼。
○獅子 頭部から尾まで含み全体を統一材から彫出する。唇の上線に植毛のための穴をうがつ。像表面には白下地に、鬣と各肢の毛及び尾を緑青、その他の体部をベンガラで塗る。
○狛犬 構造は獅子に準じるが、右後肢の材木の節穴にあたる部分毛一束を別材で作り矧ぐ。体部を褐色に塗る。腹部はベンガラ塗り。その他の構造は獅子に準じる。
(3)法量 *単位はcm
像高 全長 頂~顎 面幅 肩張 胴張 前肢開(外)
獅子 74.3 52.0 22.0 16.6 27.4 28.8 27.4
狛犬 72.2 50.0 23.6 15.5 24.5 29.1 25.1
(角含む) (角含む) (現状)
(4)銘記
両者とも像底に以下のような墨書銘があり、制作当初のものと認められる。
(獅子の墨書・像底中央部)
「応安六年癸丑九月五日、願主日祭貞恒、大工僧道随」
(狛犬の墨書・像底縁部)
「応□□□癸丑九月五日」「物部氏□虎女」 *虎は異体字、物部氏の次は「安」の可能性がある。
(5)保存状態
○獅子 左前肢と後肢のそれぞれに地付き部側面の節、左側頭部の節及び唇上縁の植毛は欠失。上顎部が縦に割れ、現在鉄釘で止められる。これは後世の割れと考えられ、必ずしも当初の割矧ぎとは認められない。表面の彩色は後補。
○狛犬 右前肢先の外側は欠失。右耳側面部の割れを現在鉄釘で止める。左後肢先が割損し、矧ぎ目が離れる。胴体右方に干割れがある。表面の彩色は後補。
画像 |
〒753-8501 山口県山口市滝町1-1 Tel:083-933-4666 Fax:083-933-4829 E-mail:
Copyright(C) 2010 山口県観光スポーツ文化部文化振興課