名称関連 | 文化財名称 | 妙徳寺山古墳出土品 |
要録名称 | 妙徳寺山古墳出土品 捩文鏡 鉄刀子 瑪瑙製勾玉 翡翠製勾玉 緑色凝灰岩製丁字頭勾玉 小型滑石製勾玉 管玉 鉄剣 高坏 短頸壺 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 有形文化財(考古資料) |
指定年月日 | 平成12年12月15日 (山口県教育委員会告示第6号) | |
所在地関連 | 所在地 | 山陽小野田市大字鴨圧109番地 (山陽小野田市立厚狭図書館) |
所有者関連 | 所有者 | 山陽小野田市 |
(1)捩文鏡
面径8.5㎝、縁厚0.3㎝、鈕径1.3㎝、鈕高0.6㎝弱。
青銅製製鏡。鏡面に反りをもつ凸面鏡である。全面を緑青に覆われており、鈕孔には、繊維を撚りあわせた鈕が遺存する。鏡面は中央部に布の痕跡がみられ、外周付近に鈕状の繊維が遺存する。鏡面には、部分的に赤色顔料の痕跡が認められる。鈕の周囲には細い界線が巡る。内区には4個の乳を置き、各乳間に捩文を配置する。捩文は左右対称の整美なもので、縦2本線に両側を挟まれた2列の珠文列両側に獣毛状の6本の平行弧線を配す。主文区の周囲には擬銘帯、櫛歯文帯、外区は鋸歯文帯周囲に圏線が巡り、鏡縁は平縁となる。
(2)鉄刀子
全長6.0㎝、刃部幅1.0㎝、刃部背幅0.15㎝。
鉄製。背は直線をなし、刃の先端から全長の約2/3付近に関があり、茎部に続く。
(3)瑪瑙製勾玉
2、54の2点で、全長はそれぞれ4.3㎝、3.7㎝。
瑪瑙製。色は濁黄白色で褐色の縞状部分がみられる。
(4)翡翠製勾玉
5、46の2点で、全長はそれぞれ1.7㎝、1.8㎝。
翡翠製。5は薄緑色で、器面の風化が進行している。46は器面が丁寧に研磨され、器面に光沢をもつ。
(5)緑色凝灰岩製丁字頭勾玉
3、4,、55の3点で、全長はそれぞれ3.7㎝、3.4㎝、3.3㎝。
緑色凝灰岩製。頭部に3は4本、4、55は3本の刻線をもつ。55は緑白色で、器面の風化が進行している。
(6)小型滑石製勾玉
合計174点あり、内訳は完形品169点、破損品5点である。完形品は全長6㎜~9㎜。
滑石製。色調は淡黄緑色、緑青色、黄緑色等である。頭部の大きさ、尾の長さは多様であるが、いずれも器面は丁寧に研磨し、頭部に径1㎜の穿孔を施している。
(7)碧玉及び緑色凝灰岩製管玉
合計59点あり、内2点(6、56)は端部を欠損する。全長は0.7㎝~3.9㎝、直径は0.2㎝~1.0㎝。
多くは碧玉製で、一部緑色凝灰岩製。色調は淡緑色または深緑色で、器面は丁寧に研磨される。一部の小型品を除き、両面穿孔である。38は、孔部に鉄片が付着している。
(8)鉄剣
2片あり、剣身部片は残存長5.4㎝、剣身部から茎部片は残存長9.2㎝、剣身部の最大幅は、2.2㎝。
鉄製。2片は直接接合しない。大部分が錆膨れに覆われている。剣身部の断面は薄い菱形をなし、基部にかけて両関となり、茎部に続く。
(9)高坏
口径18.4㎝、器高18.0㎝。
土器(土師器)。坏部はやや深く、下位で屈折して斜め外方に立ち上がり、口縁部は外反する。筒部は細く、下位で屈折して、裾部は大きく開く。外面及び坏部内面には、赤色顔料の痕跡がみられる。器面は風化が進行しているため、バインダ-処理されているが、脚部に数カ所の亀裂が入っている。
(10)短頸壺
口径8.6㎝、器高10.9㎝。
土器(土師器)。頸部はわずかに外傾気味に立ち上がり、口縁端部は細くなる。体部は丸味をもち、底部は丸底である。外面はハケ調整、内面はヘラケズリ調整を基調とする。
・主体部が盗掘をうけていない数少ない古墳であり、副葬品及び供献品の配置及びセットの全容が把握された。
・残存する人骨片の鑑定結果から、被葬者は女性の可能性が高いことが指摘された。
・主体部は石棺系竪穴式石室であり、北部九州との強い結びつきが考えられる。
・西1.5㎞には典型的な畿内型前方後円墳である長光寺山古墳が所在し、同一地域での首長墳の変遷を知る手がかりとなった。
・古墳は、国道2号厚狭バイパス建設に伴い、平成11年度、隣接地に墳丘及び主体部が移築復元された。
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