名称関連 | 文化財名称 | 常栄寺のモリアオガエル繁殖地 |
要録名称 | 常栄寺のモリアオガエル繁殖地 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 天然記念物 |
指定年月日 | 平成13年3月30日 | |
所在地関連 | 所在地 | 山口市大字宮野下 常栄寺庭園内 |
所有者関連 | 所有者 | 宗教法人常栄寺 |
常栄寺の四明池は、水深が浅く、コイ等の魚も生息しておらず、モリアオガエルにとっては最適な繁殖地である。常栄寺では、四明池のほか潜龍池にもわずかであるが産卵している。常栄寺の他の池は深く、魚が生息しているため、モリアオガエルは産卵をしない。
モリアオガエルは、繁殖期以外は付近の樹木上で生活していると推測されるが、繁殖期になると決まった場所に戻ってきて繁殖行動を行う。四明池は安定した環境が昔から保たれてきた結果、多くのモリアオガエルがここで産卵を行うようになったと考えられる。
(1)和名:モリアオガエル 両生網 無尾目 アオガエル科
学名:Rhacophorus arboreus
(2)分布:青森県から山口県までの本州全域の森林に分布しており、山口県が分布の西端となる。
<山口県内で分布が確認されている市町村>
山口市、萩市、岩国市、周南市、 美東町、秋芳町、
(3)特徴:モリアオガエルは常に樹上生活をし、産卵を樹上で行うカエルとして有名。指先が吸盤になっており、完全な樹上生活をしており、樹上にいる昆虫などの小動物を食べ生活している。ほとんど地上に降りることはないが、繁殖期である5月から7月頃、池や水田のまわりに集まって来て、雄は、樹上や水面でコロロロロ、コロロロロと太くけたたましく鳴き、雌を呼ぶ。水面に張り出した木の枝や葉の上などで、1匹から複数の雄を背負った雌が直径十数cmの白い泡状の卵塊を木の枝などに付着させるようにして産卵することが最大の特徴である。卵は泡状の体液にくるまれ,産卵後すぐ表面が乾燥して少し固くなる。2週間位で卵が孵化し、梅雨にあたり殻が溶けて中からオタマジャクシが下の池や水田に落ち、蛙に成長する。背中は暗緑色で、赤褐色の斑紋がでるタイプと、出ないタイプがある。体長は雌6~9cm、雄はそれよりやや小さく4~6cm。シュレーゲルアオガエルに似ているが、ずっと大型で、目の虹彩がやや赤みを帯びていることで区別がつく。
(4)山口県の天然記念物(動物)指定
・光のクサフグ産卵地 昭和44年2月4日指定
県指定天然記念物49件のうち動物は1件のみ
(5)他県での指定状況
ア 国指定天然記念物
・平伏沼モリアオガエル繁殖地(福島県川内村)
・大揚沼モリアオガエルおよびその繁殖地(岩手県松尾村)
イ 中国地方の県指定天然記念物 ・吉水園のモリアオガエル(広島県加計町)
表1 常栄寺四明池におけるモリアオガエル卵塊数(阿部弘和 未発表)
図2 常栄寺四明池におけるモリアオガエル卵塊数の推移(表1のデータから作成)
図中の直線は、多項式近似曲線(2次)
産卵の状況(参考)
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