名称関連 | 文化財名称 | (建造物彩色)馬場良治 |
要録名称 | (建造物彩色)馬場良治 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 選定保存技術 |
指定年月日 | 【選定年月日】 平成26年10月23日 | |
所在地関連 | 所在地 | 宇部市 |
所有者関連 | 所有者 |
保持者の略歴
昭和55年 東京藝術大学美術学部日本画科卒業
同 58年 同大学大学院美術研究科保存修復技術専攻修了
同 年 山崎昭二郎に師事
平成15年 歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうてんどう)修理専門委員会委員彩色担当(平成22年まで)
(主な業績)
昭和60年 重要文化財「宝厳寺観音堂」の彩色模写に従事
平成元年 重要文化財「妙義神社唐門(みょうぎじんじゃからもん)」の復原修理に従事
同 6年 国宝「向上寺三重塔(こうじょうじさんじゅうのとう)」の彩色模写に従事
同 11年 重要文化財「往生極楽院阿弥陀堂」の彩色模写に従事
同 16年 国宝「平等院鳳凰堂」の彩色模写に従事(平成18年まで)
同 18年 重要文化財「往生極楽院阿弥陀堂」の彩色復元に従事
同 20年 重要文化財「正行寺本堂(しょうぎょうじほんどう)」の復原修理に従事
「建造物彩色」は、昭和54年4月21日に選定保存技術に選定され、現在、保存団体として公益財団法人日光社寺文化財保存会が認定されている。現保存団体に加えて、馬場氏を保持者として「追加認定」するものである。
選定保存技術「建造物彩色」について
我が国における建造物彩色は、仏教の伝来と共に大陸から移入され、平安時代になると日本的なものに洗練されて、華麗な発達を遂げた。室町末、桃山時代には漆を加えて建物内外ともに豪華絢爛(けんらん)な彩色を施す技法が発達した。
これらに建造物彩色は、初期の仏画や忍冬(にんどう)・宝相華唐草(ほうそうげからくさ)文様から繧繝(うんげん)・条帯文(じょうたいもん)などの幾何学的な連続文様へと変遷し、さらに花卉鳥獣(かきちょうじゅう)にまで及ぶが、いずれも天然の岩絵具や植物性染料を「ふのり」、「にかわ」を溶剤として塗布する方法がとられ、平安時代には既にあらゆる顔料が駆使された。後に漆を溶剤とする方法も用いられ、また、従来の平彩色(ひらさいしき)、平極彩色(ひらごくさいしき)に加えて生彩色(いけさいしき)や置上彩色(おきあげざいしき)の技術も発達した。
近代では、油性塗料や合成染料が建築彩色の主流となり、また、天然顔料の資源不足や技術者の減少などもあって、文化財の保存修理以外に古式の建造物彩色は行われていないのが現状であるため、保護を図る必要がある。
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