名称関連 | 文化財名称 | 木造聖僧坐像(伝恵慈和尚) |
要録名称 | 木造聖僧坐像(伝恵慈和尚) | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 有形文化財(彫刻) |
指定年月日 | 2023.3.10(令和5年3月10日) | |
所在地関連 | 所在地 | 平生町大字宇佐木1166 |
所有者関連 | 所有者 | 宗教法人 般若寺 |
(1)法量
像高 70.7㎝(2尺3寸3分)
頂―顎 23.1cm 面幅 13.9cm
耳張 16.5cm 面奧 19.5cm
胸奥 20.0cm 腹奥 21.7cm
肘張 39.7cm 膝張 49.5cm
膝奥 37.0cm 膝高(左)10.2cm (右)10.5cm
(2)形状
円頂。頂がやや尖る。後頭部中央に頭蓋骨の突起をあらわす。老貌。眉根をやや寄せ、眉を高く、また長くあらわす。上瞼がやや垂れ、目尻を下げる。鼻根に深い皺をあらわし、鼻筋を高くあらわす。閉口して口角をやや下げ、下唇を厚くあらわす。耳朶は板状。顎の先が二つに分かれる。額、上下瞼、目尻、両耳前の上部と下部、小鼻の左右から口の両側、顎正面に皺をあらわす。両耳の後ろに血管のふくらみをあらわす。喉仏、鎖骨、胸骨のふくらみをあらわす。内衣は後ろ襟を立て、胸をややあらわして右衽(うじん)に着ける。覆肩衣(ふげんえ)は背面から右肩外側にかかり右腕を覆い、右胸下で袈裟の上縁から引き出す。右肩にかかる縁を折り返す。衲衣(のうえ)は左肩を覆い、背面、右脇、正面を通り、上縁を折り返して左肩で紐で吊る。両手屈臂。左手は膝の上で掌を上に向け、右手は膝の上で掌を下に向け、ともに第3、4指を深く、その他の指を軽く曲げて如意を執る。右足を外にして半跏趺坐する。
(3)品質・構造
ヒノキ材か、一木造、現状素地に漆塗り、彫眼。
ほぼ全体を両前膊(ぜんぱく)にかかる衣、両脚部のすべてを含んで縦木1材から彫出する。内刳りしない。木芯は左目の前方、腹部左前、右踵内側を通る位置にこめる。両手首以下(後補)は、袖口に差し込んで矧ぐ。像底は地付き周縁部から中央に向かって最大約0.5㎝の高さに刳り上げる。持物の如意(後補)は木製、朱漆塗り。
像表面の過半は素地を呈し、一部に黒漆塗りが残る。衣部の漆塗りの上にわずかにベンガラなどの彩色が残る。黒目は黒、白目は白。唇は朱。
(4)保存状態
両手首以下、如意、各後補(令和3年〈2021〉)。左耳上半部、右耳後半部、両手前膊にかかる衣部、両膝、像底などが樹脂含浸、木片の埋め込み、および木屎漆によって補修され、各部に古色仕上げが施される(令和3年)。
令和3年の修理時に、近世の後補と見られる両手首以下と持物の数珠を除去し、それらと如意を新たに補作した。なお、この時の修理によって、造立後の後補である両手が、掌を上に向け全指を曲げて数珠を執る形から、左手は膝の上で掌を上に向け、右手は膝の上で掌を下に向け、ともに第3、4指を深く、その他の指を軽く曲げて如意を執る形に変更された。この形は如意を執る僧形像の他例にならって考案されたものと思われるが、本像の両手が造立当初どのような形であったかは不明である。
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