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名称関連 | 文化財名称 | 式内踊 |
要録名称 | 式内踊 |
指定関連 | 指定区分・種類 | 無形民俗文化財 |
指定年月日 | 昭和51年3月16日 (山口県教育委員会告示 第3号) 無形民俗文化財 |
所在地関連 | 所在地 | 周南市 |
所有者関連 | 所有者 | |
保持者関連
保持者
式内踊保存会
文化財詳細
時期及び場所
8月31日二俣神社八朔祭に青田の生育を祈って5年または7年毎に奉納されている。
由来及び沿革
今よりおよそ300年の昔、今の都濃郡一帯が周防国角郡と呼ばれた頃、角郡のやや北辺にあって、鹿野、長穂両村の中心に位するこの地大向村二俣部落に、大物主大神、八千矛大神、櫛稲田姫大神の三神を祀る、延喜式内二俣神社があった。当時、祭典の行われる神社は鹿野村、長穂村等には無く、式内二俣神社において春夏秋の祭り、青田御祈祷等祭典を行い各村々から参詣していた。その頃祭典毎に集る村々の氏子達の間にせり合いが起きていたが同時の世話人でなんとか治められていた。ところがたまたま夏の青田御祈祷(毎年7月25日に行う)の際大きな争いが起った。この争いは御神体を自分達の村へ奉遷したいという念願から起ったものである。押しかけた老若男女はお宮の宝裳のお道具を持ち出して奪い合いその一部は鹿野や長穂村に持ち帰られた。その上勿体なくも御身体をかつぎ出し持ち去ろうとして道路まで運んだところ御神体は俄かに重くなり到底持ち帰る事が出来なくなったので、道路わきを流れる錦川に投げ捨ててしまった。当時の神主は御神体が川中に捨ててあるのを見て驚き、自ら川中に飛び入り御神体を抱きかかえ御社に安置した。ところがその年の秋から稲の穂枯れが続き夏は水枯れ又は洪水で被害をうけ村を挙げての大飢きんとなった。そこで村人等集まって色々相談の結果氏子のみにくい争いから起ったこの神の怒りを恐れお詫びとして御伊勢参りをする事になった。そして二俣部落の若者数人は村を後にして伊勢参りの旅に出たのであるが、その途中この踊を見、郷土への土産として習い覚えて持帰り村の若人を集めて踊子とし、7日間の切火(斎戒沐浴のこと)をして身を清め氏神式内二俣神社にこの踊を寄進し奉り五穀豊穣、厄病退散を祈願し神の御加護を受けた事に始る。それ以後この踊は5年目又は7年目に、式内二俣神社夏の大祭、八朔祭に青田御祈祷の御礼として又末社天満宮への奉納寄進として踊るならわしとなっている。
内容
この踊は種類が多く次の24通りあって最後の筑羽根にだけ歌があり、他は囃子だけで踊るテンポも速く男性的なはげしい踊である。
踊の種類と順序
(1)道行き
(2)庭作り
(3)かたぎ杖
(4)たたき杖
(5)膝前
(6)忠だめ
(7)片襷
(8)輿車
(9)かやり分け
(10)四つ立庭作り
(11)四つ立
(12)五加
(13)作り戻し
(14)四方がらめ
(15)ちがえ襷
(16)ふり杖
(17)6人かやり分け庭作り
(18)6人かやり分け
(19)6人たたき分け
(20)12人通り抜け庭作り
(21)12人通り抜け
(22)八加
(23)作り戻し
(24)筑羽根
構成
踊子は男子12人、囃子は男子7人で、ほかに指揮者1人唄い手数人がいる。
設備・衣装・用具
踊子は単衣の長着に黒朱子の飾前掛をあて頭には晒木綿2尺5寸(約76cm)の両端を赤く染めた手拭で捻鉢巻をし、鴇色の布で襷をとり背に鴇(淡紅)、赤、白、黄、青の5色の布でたくりを掛け白足袋に草鞋ばき、動作がはげしいため着物の両脇をつり上げる。
剽軽の鬼・天狗は、鬼は杖、天狗は杖と八つ手を持ち背に魔除の刀を負い、首開け鬼魔払いの役をつとめる。衣装は鬼・天狗共に直垂に緋の袴を着ける。
採物は白団扇2・花団扇2・白杖4・花杖4で団扇は東西を表し、杖は天地をかたどる。
音楽
[楽器]
囃子は〆太鼓3・横笛2・合せ鐘1・拍子木1である。
歌詞
筑羽根の歌
つくはねの峯にわきでる神の水
神の水四面の青田にうるおいて
この里に神しづまりて栄けれ
式内の神に踊りをたてまつる
千早ふる神に願いて舞いおさむ
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