名称関連 | 文化財名称 | 別府念仏踊 |
要録名称 | 別府念仏踊 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 無形民俗文化財 |
指定年月日 | 昭和51年3月16日 (山口県教育委員会告示 第3号) 無形民俗文化財 | |
所在地関連 | 所在地 | 美祢市秋芳町 |
所有者関連 | 所有者 |
むかし、この里がまだ大森林であった頃、別府の長者、飯田石見守の夢枕に立った白髪の老人が「この鎌を持ってこの地を開け」と告げた。長者はそばに置かれた2枚の鎌で早速郷を開いたが、水が出ず、そこで天を仰いで水を渇望していたところ、再びその年の旧暦8月7日の夜、郷に鎮座する諏訪明神から「これより北に弁財天社がある。この神を勧請して祭を行うと必ず水が得られる」との夢のお告げがあり、1本の青竹の杖をさずかった。そこで神を祈り神楽を奏したのちその青竹を杖にして水源を探したところその杖の跡から一夜忽然として多量の地下水が噴き出した。これが今の弁天池でこの神与の水に感謝し、念仏踊を「定願の踊」としてこの里に人の住む限り奉納することを誓い伝承してきたという。
奉納踊、腰輪楽、鶏頭楽、花楽の3種目からなり、現在では腰輪楽、鶏頭踊を念仏踊といい、花楽を子踊(地家の6・7才位の男の子6人が境内の舞台で三味に合せて踊る)と称している。
[祭礼順序]
念仏踊は、神社を中心として上組、下組より2組出場する。御旅所にて御輿をお迎えし、祭をすませ御輿の後をお供して、長者の家系を継ぐ翁(麻上下の水年寄で水を探し求めた別府長者の古事を現す意味で青竹をついている。)を先頭に長蛇を組み道中囃子を奏し神社に向う。境内入口の鳥居前にて止まり、御輿が拝殿にお止りになるとはじめて念仏踊の組は鳥居をくぐり、境内に入ってくる。2組が境内に入ると境内の舞台にて庭誉狂言がはじまる。狂言が終ると同時に鉄砲合図に1組ずつ念仏踊をはじめる。2組が終ると鉄砲合図に舞台にて子踊がはじまり、それが終ると念仏踊はもう一度境内にて踊り境内を出て行く。2組共それぞれ当家(その年の念仏踊の一切の心配事をする家)に帰り今一度踊って本日の行所を終る。
[踊の態様]
鐘たたきが丸く円を作り、その円の中で棒使いの演技からはじまり引続いて主役のどうとりが前後左右に大きく又は小さく飛び交い、その間を縫うて大団扇使い、小団扇使いが太鼓、鐘による3拍子にはじまりそのうち4拍子と変り、最後に2拍子に変る調子にあわせ、入り乱れ、円内狭しと踊りまわる。この踊が終ると最後に又棒使いの演技を以ってこの踊の全部を終る。
庭誉狂言(祝詞)
「天下泰平国家安全、吹く風枝を鳴らさず、神様には隔てをなされず、さても目出度き御代にて候、サアラサアラ御殿の掛りを見てあれば、黄金垂木に白銀の柱、葺きたる萱は金銀の板金なりと見えて候、さても結構なる御殿かな、左右の掛りを見てあれば、梅に桜、松に竹、さても結構なる左右から、お庭の掛りを見てあれば、四方下りに中高には金銀の真砂を敷き、さても結構なる御庭から、今日は厳島大明神の御縁日にあたり地家の若衆をすすめ立て、おかしき念仏踊を相勤めますれば、どなた様御見物御寛容」
ちなみに、念仏踊ゆかりの弁天池は、面積約310㎡(94坪)、水深約3m(1丈)、湧水量1時間に17.4リットル(9升7合)、水温13.7~14度、灌漑面積約100ヘクタールという清水の冷水源である。
[念仏踊1組の出演者]
(1)水支配人 4人(内2人は世襲家系) (2)当屋 1人 (3)幟持 2人 (4)鉄砲 2人 (5)どうとり 2人(主役) (6)団扇使い 4人(内大団扇2人・小団扇2人) (7)棒使い 2人 (8)鐘叩き 8人
(1)庭誉狂言
裃、立烏帽子姿、手に扇を持つ。
(2)拍子木打
裃姿。
(3)水支配人
裃に青竹の杖を持つ。
(4)当家
紋付、はかま姿。
(5)幟持
紋付、はかま姿、赤幟を持つ。
(6)鉄砲
紋付、はかま姿、鉄砲を持つ。
(7)どうとり
頭に鶏の木目の形をしたものを造花で包み、頭にかぶる。色紙の幣の頭の笠より垂らして顔は殆んど見えない。竹の腰輪をつけ赤の法被、黒のはかま、胸に〆太鼓、手に装飾した撥を持つ。
(8)団扇使い
長さ1m位の装飾した団扇を持つ。かすりの着物にはかま、頭に鉢巻姿。
(9)棒使い
頭に鉢巻、着物にはかま、手に1m50cm位の樫の棒を持つ。
(10)鐘たたき
頭に装飾した花笠をつけ、色紙を垂らした竹製の腰輪をつけ、はかま姿で手に鐘を携え、色紙で装飾した木槌を持つ。
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