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文化財要録コンテンツ

名称関連文化財名称木造金剛力士立像
要録名称木造金剛力士立像
指定関連指定区分・種類重要文化財(彫刻)
指定年月日昭和31年6月28日(文化財保護委員会告示 第29号)
所在地関連所在地防府市大字牟礼1869番地
所有者関連所有者宗教法人 阿弥陀寺


文化財詳細
制作等の年代又は時代
鎌倉時代初期

員数
二躯

品質及び形状

阿形

 単髻、顔面斜右向、瞋目開口、上半身裸、左手臂を挙げて肩上に持物を握り、右手側方に伸下し掌を伏せて、指先を内側に向け五指を開く。腰を左に捻り、右足を踏出し重心を左足に息めて立つ。裳裾右に靡く。

〔本躰〕

 桧材、寄木造、彩色(剥落)、玉眼嵌入、内刳。

髻四材矧(両側3.0㎝、背面4.5㎝、厚材矧付け)、頭頂に角ほぞ立(7.9㎝長、3.3㎝、2.9㎝角)矧付け、このほぞに「應安二年云々」の修理墨書銘あり、像の中心材は前面中央より左側、即ち頭部左側(左耳を含む)より左足及び足ほぞに至る長さ274.1㎝、幅23.3㎝、奥行37.6㎝厚の一材より彫成し、頭躰部に最小7.0㎝、最大9.7㎝の厚さの彫刻面を残して内刳を施すも、脚部以下内刳なし、即ち中心材より右側に頭部(長さ頂上より48.5㎝、幅左耳前より右耳後)一材を矧付け、更に面部(左耳より3.9㎝、右耳より6.1㎝前方)を割矧ぎとして内刳、下顎別矧ぎ(後補)、この頭部よりほぞ部に至る材(幅23.0㎝)と肩付根部(厚7.0㎝)の二材を縦矧ぎとし、更にほぞ部より右足ほぞに至る長さ163.6㎝、幅25.8㎝、厚39.4㎝の材を斜矧ぎにし、中央両脚間に三角形の裳先を矧付ける。中心材より左側は肩付根部(厚6.1㎝、幅22.7㎝、長64.5㎝)を矧付け、これに小材三材矧付け、更にこれより左横腹より、左腰外側、左足外側(約2.1㎝厚材)に至る間に小材十材を縦矧、背面は後頭部矧付け、首付根より裳先に至る間、大略二材中央縦矧ぎなるも、左方は肩一横材、裾二縦材の小材矧付け、右方は肩二横材の小材矧付け、左足背面部矧付け。左手は肩付根、臂、手首にて矧付ける。膊は大略二材矧、内刳を施し、前面に小材一、背面に五材矧付け、前膊は大略四材矧、内刳、前面に小材一矧付け、手先は一材に刻み、第一指を矧付ける。右手は肩付根に矧付け、上前膊を通して大略二材矧、内刳を施し手首を矧ぐ、肩付根部に前面一、背二、内側一の小材矧付け、手先一材、両足先矧付け。

 以上の各矧目の内、中心材への大材矧部には一ないし二箇の通いほぞ(約1.5㎝×6.1㎝の角材)を施し、両手付根部は径3.6㎝の丸ほぞ一、背面の中央矧には上部径3.9㎝、下部径は3.5㎝の丸ほぞ各一を施す。

〔台座〕

 松材、長方形の仮座。

吽形

 単髻、顔面斜左向、口を閉じ、左手側方に伸下し掌を伏せて、指先を内側に向け五指を開く、右手屈臂、掌を前にして、五指を竪て開く、腰を右に捻り、左足を踏出し、重心を右足に息めて立つ。

〔本躰〕

 桧材、寄木造、彩色(剥落)、玉眼嵌入、内刳。

大略阿形像に同様の構造であるが、この像の中心材は前面中央より右側、即ち頭頂より右足ほぞに至る長さ265.1㎝、幅23.0㎝、奥行37.3㎝の一材より彫成し、内刳阿形に同じ、これに両側面及び背面に各数材を矧付けて構成されている。即ち前面は中心材より左側に、頂上よりほぞ下部に至る長さ120.3㎝、幅24.2㎝、奥行は正面より左耳後までの材を中心材に矧付ける。顔面部は中心材と共彫にして、両耳前に割矧、内刳す。左肩付根部に7.6㎝厚材矧付、更にほぞ下部より左足ほぞに至る材を斜矧ぎにし、両脚間に三角形の裳先を矧付ける。次に中心材より右側に肩より右腰裳折返し下部に至る材(更にこれに小材三矧付け)を矧付け、更に右腰裳折返し下部より右足外側に至る材を縦にす。次に背面は後頭部一材矧付け、首付根より裳裾に至る間は中央縦にして、これより左側は、幅は中央より肩付根まで、長さは首付根より裳裾までの一材へ、更にこれより左寄りに腰より裳先まで三材の別材を矧付けている。又、中央より右側は、幅は中央より肩付根まで、長さは首付根より52.4㎝の材を矧付け、更にこれより裳裾に至る材(これに小材、後補材、各二矧付け)を縦矧ぎす。なお右足背面部矧付け。左手は肩付根に矧付け、上前膊を通じて二材矧ぎにし内刳、肩付根部背面に小材一を矧付け、手首を矧ぐ。右手は肩付根、臂前、手首にて矧付け、上膊は前後大略二材矧ぎにし、肩付根部に小材(腋下部一、背面三枚)矧付け、内刳、前膊は大略一材にして、小材、後補材各二矧付け、両足先矧付け。

 以上の各矧目はほぞはほとんどなく、鎹、鋲釘止にしているか、中心材より右側の右腰部の矧付けに0.9㎝×3.9㎝角のほぞを二個、中心材より左側、即ち左腰斜矧部(下腹部)に一、及び左腰外側部に二個のほぞ跡があるが、これは木組当初のもので、彫刻を進めるに従い露出せしもので、現在用をなさず。

〔台座〕

 松材、長方形の仮座。



寸法又は法量

               阿  形   吽  形

 〔本躰〕            ㎝       ㎝

像高           270.0     275.1

頂上~顎(髻頂除)    47.6      49.1

面幅            25.1      29.4

耳張            34.8      37.9

面奥            40.0      41.8

臂張            135.4     125.7

足先間           94.2      90.0

〔台座〕            ㎝        ㎝

方座高           21.2      21.2

幅             130.0     130.0

奥行            77.6      77.6




地図



画像
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