名称関連 | 文化財名称 | 護国寺笠塔婆 |
要録名称 | 護国寺笠塔婆 1基 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 建造物 |
指定年月日 | 昭和51年11月24日(山口県教育委員会告示 第6号) | |
所在地関連 | 所在地 | 防府市本橋町820番地 |
所有者関連 | 所有者 | 宗教法人 護国寺 |
【品質】 凝灰岩製
【形状・寸法等】
総高 89cm(受花・宝珠が欠失しているのでそれを除いた高さ)
基礎 高さ19cmで二段(下段 高さ6cm,正面・背面幅 45cm,側面幅 36.5cm,上段 高さ13cm,正面・背面幅 43cm,側面 34.5cm)となっている。下段の各面は無地であり上端に丸味がつけられている。
上段の正面背面は両側を一条線、その内側を二条線で囲み、その内部は梵字アを入れた月輪が3つ配されている。梵字は浅い平底彫である。側面には同様な梵字アを入れた月輪が2つ配されている。
塔身 高さ50.5cm,幅 正・側面 29.5cm,側面 14cmである。
正面には、線彫の3箇の蓮華の上にそれぞれ月輪が置かれ、弥陀三尊を表わす梵字キリーク、サ、サクが彫られている。梵字は刷毛書で浅い平底彫である。それを受ける蓮花は丸くふくらみ蓮肉をつけ、特に上部キリークを受けるものにはシベをつけている。
縁どりは線彫りで左右及び上辺は内側が2条、側面は1条、下方は内側が1条外側2条である。内側と外側の線の間は1、2cm程度で、ここに墨が入り、白ぬきの連珠紋が入っている。珠の数は竪方向に35箇、横方向に23箇で、下方のものは2~3箇が吹きよせになっている。さらに下方の枠外には連子模様の間に中央に一つ、左右に一つずつ(ただし左右のものは側面にかけて折れている)の巴があり、その文様は三つ巴で、頭が小さく尾の長い鎌倉時代の特色である餓鬼巴である。背面は豊かな蓮座の上に、梵字の胎蔵界中台八葉院の曼陀羅が彫られている。中央には二重円内にアーンクがあり、その周囲の八葉の蓮弁には四仏と四菩薩の梵字が配されている。さらに蓮座の下は縦罫で7画に分けられ下掲のような銘文が刻してある。
(銘文)
右 志 者 過 去 / 尊 霊 刑 卩 中子
九 月 廿 九 日 / 貞 永 元 年 壬辰
末 時 逝 去 / 為 出 離 生 死
住 生 極 楽 也
両側面は共に五輪塔が線刻されていて、上からケン、カン、ラン、バン、アの梵字がある。梵字の下方には蓮座があり、蓮弁にも縦の線に墨を入れている。周囲の線は正・背面と同様で黒地白ぬきの連珠がある。さらに下方の連子巴の巴は、正・背面から折れまがって半分入っている。
なお、塔身の上端と下端の中央に、高さ3cm程度の柄がつくり出され、基礎及び笠にはまりこむようになっている。
笠 高さ16cm,正面の軒幅45cm,側面の軒幅38cm,軒の厚さ4.5cmで両側で心もち厚くなり、反り気味である。上端は17.5cm四方の平らかな面をつくり、更にその上に高さ3.5cm、14.5cm平方の露盤があるが、その上部の内側に5.5cm平方、深さ3cmの穴がある。この上に置かれていたと考えられる受花宝珠は失なわれている。
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