名称関連 | 文化財名称 | 松藤蒔絵文台硯箱 |
要録名称 | 松藤蒔絵文台硯箱 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 重要文化財(工芸品) |
指定年月日 | 昭和55年6月6日 (文部省告示第123号) | |
所在地関連 | 所在地 | 防府市松崎町14-1 |
所有者関連 | 所有者 | 宗教法人 防府天満宮 |
【品質及び形状】
〔文台〕
木製、長方形の甲板両端に筆返しを据え、四隅の下に猪の目を透した刳形の脚を付す。
甲板上面の左下には波の寄せる土坡上に、松樹とそれに絡む藤を表わす。中央下には下草の生えた巌を、右下には洲浜上の巌の上に小さく松樹を表わす。画面上端には棚引く雲を表わす。
技法は、甲板上面全体を梨子地とし、松樹の幹・巌は高蒔絵、藤の樹幹は薄肉高蒔絵、雲・土坡は研出蒔絵、松枝・藤花・笹・下草・流水は平蒔絵、土坡・洲浜・雲は大小の粉に粗密を交えて蒔暈し、雲中には平蒔絵にて切金・野毛を描き表わす。松・藤の樹幹、巌には金銀の切金を散らす。細部の線は描割り。筆返しには端金具を付けず、内側面沃懸地、外側面梨子地。甲板側面は沃懸地とし、四隅及び長側面中央に金銅魚子地藤花文彫花先形金具を打つ。四脚外側梨子地とし、猪の目部及び四脚周縁に金銅素文覆輪を冠す。甲板裏面、四脚内側黒漆。
〔硯箱〕
木製、長方形、合口造り、削面取りの硯箱で、底四隅には低い刳形脚を付す。身の中央には金銅菊形座に金銅円形水滴(底欠)を嵌む。身全体に嵌め込む形で懸子を納めるが、懸子の側板は身の合口部立上りとして機能する。
懸子には、墨柄、刀子、錐子を納める。
技法は文台と同じで、硯箱の内外面とも梨子地。削面、蓋・身・懸子の口縁は沃懸地。蓋表には流水、巌、土坡上に松、藤、雲を、蓋裏には藤花を1枝表わす。身の底裏黒漆、懸子底裏金淡蒔。墨柄、刀子、錐子の柄は梨子地に藤花を平蒔絵にて表わし、金銅筋入縁金具を付す。但し、流れに梶葉、筆浮彫の硯は後補。
〔文台〕
縦 33.2cm 横 56.4cm 高 10.7cm
〔硯箱〕
縦 25.7cm 横 12.7cm 高 8.6cm
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