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文化財要録コンテンツ

名称関連文化財名称木造二天王立像
要録名称木造二天王立像
指定関連指定区分・種類彫刻
指定年月日昭和56年12月11日(山口県教育委員会告示 第5号)
所在地関連所在地柳井市余田508番地の1(山林)
所有者関連所有者宗教法人 福楽寺


文化財詳細
制作等の年代又は時代
弘安7年(1284)

員数
二躯

製作者
木村正智房

品質及び形状

【形状・品質・構造】

E 阿形

○形状

 垂髻。天冠台を戴く。台下の地髪はまばら彫とする。眉をよせ眼を瞋らし、大きく口を開いて上・下歯、舌をあらわす。着甲。左手は臂を屈して肩の上にあげ持物を執る形。右手は僅かに臂を屈して体側に張り出して手首を腰に当てる形。右足をあげ、腰を左に捻り、邪鬼の頭と腰を踏んで立つ。左右の鰭袖の先を括る。両上膊部と腹前に獅噛をつけ、手甲籠手をつける。脛当をつけ沓をはく。天衣は下膊部をめぐり、縄状の帯をくぐって両側に垂らす。

〈邪鬼〉

 総髪を後ろになびかせ、眼をむき、下歯で上唇を噛んで閉口する。体を左正面に向け、顔をやや右前に捻り、体を伏せ、右前肢は屈臂して前に出し、左前肢は屈臂して立て、手で下顎を支える。右後肢は腰から折り、前肢の脇下に伸ばす。左後肢は膝を折って岩座上にうずくまる。

○品質・構造

 ヒノキ材の一木造り。体部の幹部は頭体から左足ほぞまで竪一材から彫出し、頭部は耳後で割り、内刳りして玉眼を嵌入した形(水晶欠失、彫眼補填)。体部は背面の下9.7㎝のところから腰下までを割り、内刳りを施す(後頭部及び背板は共に欠失)。垂髻及び左足先は別材矧ぎつけ。右手は手甲までを一材で彫出し、肩で、左手は上膊、下膊と手首で矧ぎつける(手首の先欠失)。右足の膝上から沓までを別材で彫出して、体内に差込む。右沓先、足ほぞは別材矧ぎつけとする。天冠台に細い銅紐を巻きつけたと思われ、その一部及び、それを打ちつけた銅釘が残る。後世紙貼り彩色がなされた痕跡が随所に見られるが、現在はほとんど剥落して素木に近い。

後補部:垂髻、腹下の天衣下の前垂れ部分

欠失部:天冠台下の地髪部左右の一部、右肩矧付部前面(鰭袖共)、右手拳の内側、右袖先括り目から下、左鰭袖の内側一部、右足矧付部の前面、右沓先前の一部、左腰背面の一部、右沓踵の一部、股間に三角形(高9.5㎝、底辺6.5㎝)の穴。

〈邪鬼〉

 樟材。頭部を一材、体部を上下二材から彫出し矧ぎつける。体部の下方地付部の一材は後補。右前肢は臂から先を別材矧付(後補)。右後肢は腰に矧付(後補)。

岩座・框座共に後補。

F 吽形

○形状

 重髻。天冠台を戴く。台下の地髪はまばら彫りして毛彫りを施す。眉をよせ瞋目しては口を結ぶ。玉眼を嵌入していたと思われるが、今は亡失。着甲。左手は臂を屈して斜め前方に立てる。右手は腕を体側に水平にあげ、臂を屈してほぼ垂直に立て、五指を曲げて持物を執る形。腰を左に捻り、右足を前に踏み出し、左足に体重をかけて邪鬼の頭と腰を踏んで立つ。左右の鰭袖の先を括る。両上膊に獅噛をつけ、手甲・籠手をつける。脛当をつけ沓をはく。袴を膝部でしばり、下方を足首近くまで垂らす。天衣は下腹部を巡り、縄状の帯をくぐって両側に垂らす。

〈邪鬼〉

 体を右正面に向けて伏せ、頭を右前に捻り、両前肢を屈臂して、頭と頬の下に入れて頭を支える。両後肢は膝を折って岩座上にうずくまる。

○品質・構造

 ヒノキ材の一木造り。体部の幹部は頭から体、右足ほぞまでを竪一材から彫出し、頭部は耳前で割り、内刳りして玉眼を入れる形。体部は背面のほぞ下11.3㎝のところから腰下まで割り、内刳りして背板を矧ぎつける(背板欠失)。垂髻、右足先別材矧け。右手は肩が手の甲までを一材に彫出し、肩で矧ぎつける。指先は別材矧付。左手は肩・下膊部、手首で矧ぐ。左足膝から足ほぞまでを一材で彫出し、体部に差込む。

 後世紙貼りして彩色がなされた痕跡が随所に見られるが、現在はほとんど剥落して素木に近い。

 後補部:垂髻。右裳裾先

 欠失部:玉眼、左手首から先、右広袖の補材矧付部、右裾中央下の一部、両肩矧付部の補材。

〈邪鬼〉

 ヒノキ材、頭・体・前後肢とも横一材から彫出し、後肢の両足先に別材を矧付け(矧付部から先欠失)。

 なおEとは異なり吽形と同時期の製作にかかる。

 岩座・框座共後補。



寸法又は法量

単位cm

      E/F

像高/153.3/153.7

頂上~顎/35.1/31.1

面長/18.5/16.7 

面幅/15.8/15.8

面奥/※19.5/20.5

胸奥/※26.1/※24.4

腹奥/※27.4/※24.3

臂張/79.5/73.1

裾張/※23.5/54.2

足先開き/50.0/48.0

ほぞ高(前)右/10.6/8.4

       左/9.6/8.1

ほぞの奥行右/9.5/10.0

       左/9.0/11.5

ほぞ幅(前)右/3.8/5.1

       左/3.5/4.5

〈邪鬼〉単位cm

頭高/26.2/17.3

総長/69.8/69.5

前肢張/32.6/27.0

腰張/31.1/29.7

腰高/14.7/15.9



銘文

E)右足ほぞ

○踵面

弘仁五年

框座底 及大破明四亥□、春御願申出柳〔  〕、在市中托鉢□、差免御役人中□、出情を以志□、一貫五百三拾目、出銀を以再興□、成就者也、于明和五戊子、六月廿日住持〔  〕。

F)左足ほぞ

○内側面

上野寺、二天事、右志者爲弘立佛、法廣作佛事行奉、造立如件、弘安七年甲申三月五日、奉立之而巳。

○踵面

佛師木村正智房、大願主僧円妙、造立之。

○外側面

上野寺福樂坊□、狐鹿山大願王阿闍梨、〔  〕、弘安七年より、四百七拾六年及、貞享五年戊辰、二天中建立スル者也、歳四十九歳。

○前面

京都大佛師宗□、願主、長尾茂平衛。

右足ほぞ

○外側面

弘仁五年甲午歳、貞享五季迄八百七十、六年及五月廿一日ヨリ中建、〔  〕立スル者也。

框座底 當山本尊并脇士二天、在〔  〕中托鉢、被差□(免カ)御役人中、出情ヲ以志銀、一貫五百三拾□(目カ)、出銀ヲ以致再興、成就者也、于時明和五戊、六月廿日、住持諦巌。




地図



画像
<木造二天王立像>関連画像001(オリジナル画像表示リンク)<木造二天王立像>関連画像002(オリジナル画像表示リンク)

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