名称関連 | 文化財名称 | 鰐口 |
要録名称 | 鰐口 弘長元年辛酉六月の銘がある | |
指定関連 | 指定区分・種類 | (有形文化財)工芸品 |
指定年月日 | 昭和55年4月11日(山口県教育委員会告示 第2号) | |
所在地関連 | 所在地 | 山口市春日町8番地の2(山口県立山口博物館寄託) |
所有者関連 | 所有者 |
【構造・形状】
鼓面径6.9㎝の極めて小さい鋳銅作であるが、鍍金が施され、しかも鼓面径に比して肩幅及び鼓厚が大きいため、重量感がある。
鼓面は表裏ともに、外周に3条の細隆圏線をめぐらす縁、その縁の内方の銘帯、さらにその内方の中区(銘帯と中区を2条の細隆圏線が分つ)、そして中央に陽鋳の撞座という形状をとる。撞座は8葉の蓮華文で、中心部には蓮子が9個(中央に1個、周囲に8個)陰刻される。撞座径と鼓面径の比が1:3で、これは他例(普通1:4~5)に較べて、撞座の大きいことを示す。
胴には、まず上部左右に正円孔をうがつ吊手の釣鐶(片方は欠失)、すなわち耳があり、両面合せ式である。左右の耳の中間を肩というが、普通鋳型の合せ目があり、鋳造時の湯口の痕がのこっているものだが、きれいにさらって鍍金されたためか、その痕跡をとどめない。その耳の下方左右に突出した円筒形の目がある。目は胴の付根のところからやや斜め下に向かって突き出すところに時代的特徴があり、その側面は円形の中央上部を凹ませた猪目形(桃実形)をなす。
なお、遺存する一方の耳に吊紐がついている。
総径(肩~唇)/7.5㎝
総径(目~目)/8.2㎝
鼓面径/6.9㎝
鼓厚/3.1㎝
肩幅/1.9㎝
撞座径/2.3㎝
口開/0.3㎝
耳高/0.8㎝
耳幅/0.7㎝
耳厚/0.3㎝
目幅/0.3㎝
目径〈断面)/1.1㎝
唇出/0.3㎝
唇幅/0.3㎝
表裏の銘帯・中区及び肩につぎの陰刻銘がある。その彫りはやや深く、刻銘はしっかりして力強い。
〔表〕○中区
「諸行无常 是生滅法 生滅滅己 寂滅為樂」
○銘帯
「衆生稱念即除多却罪 命欲終時佛与聖衆自來迎接」
〔裏〕○中区
「南无阿弥陀佛 衆生稱念必得往生」
○銘帯
「其佛本願力 聞名欲往生 皆悉到彼國 自致不退轉」
〔肩〕 「弘長元年辛酉六月」
〔欠失する耳と口の間〕 「白蓮」
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