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文化財要録コンテンツ

名称関連文化財名称幸若流舞之本(毛利吉就所持本)
要録名称

幸若流舞之本(毛利吉就所持本)

 付 渡申幸若流舞之本事 

   寛文拾三年十月十五日吉田半左衛門尉起請文 

   五月十八日幸若小八郎大夫書状 

   十一月廿七日益田玄蕃書状 

   扇子 

   題簽 

   納箱 

指定関連指定区分・種類典籍
指定年月日昭和59年4月10日(山口県教育委員会告示 第1号)
所在地関連所在地防府市多々良1丁目15-1
所有者関連所有者財団法人 防府毛利報公会


文化財詳細
員数

三七帖

三冊

一巻

 付 (渡申幸若流舞之本事)        一通

   (寛文拾三年十月十五日吉田半左衛門尉起請文) 一通

   (五月十八日幸若小八郎大夫書状) 三通

   (十一月廿七日益田玄蕃書状)    一通

   (扇子)                   一握

   (題簽)                 三九枚

   (納箱)                   一合



由来及び沿革

幸若流舞之本

 紙本墨書、列帖冊子装及び袋綴冊子装、表紙鳥の子、料紙は鳥の子及び美濃紙、

(1)浜出 1帖

 題簽「蓬莱山」 表紙は裏葉色、打曇・中国風の家、樹木を藍で抄き込む。

 見返金無地。

 本文は、ドウサ引美濃紙の下を袋にして二つ折にして、重ねて列帖風に綴じる。墨付4丁。遊紙尾に1丁。1面8行書き。

 用字は漢字・平仮名、濁点墨、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語「慶長十一年七月日 幸若治兵衛光治(花押)」

 ▲縦24.7㎝ 横16.9㎝

(2)十番切 1帖

 題簽「十番斬」 表紙は山鳥、草の葉、竹籠文様。見返金紙。 

 本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付17丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字・平仮名、稀に片仮名を交える。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点ナシ、庵点ナシ。

 識語「慶長十七年季大族上吉日 桃井幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.4㎝ 横18.4㎝

(3)敦盛 1帖

 題簽「敦盛」 表紙は草花、他の文様。見返金梨地に金砂子散らし。

 本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付21丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名・平仮名、稀に片仮名を交える。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点ナシ、庵点ナシ。

 識語「于時慶長十九甲寅卯月日 桃井幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.4㎝ 横18.4㎝

(4)静 1帖

 題簽「静」 表紙は竹蟹文様。見返金紙。金切箔散らし。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付33丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点本文と同筆の墨、庵点なし。

 識語「慶長廿年卯月上旬 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.3㎝ 横18.4㎝

(5)烏帽子折 1帖

 題簽「烏帽子織」 表紙は、(前)鹿、樹木、(後)遠山、沖の舟文様。見返金砂子。上部は金の雲形。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付33丁、遊紙尾3丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名、稀に片仮名を交える。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし、庵点なし。

 識語「于時元和元年乙卯正月吉辰 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.3㎝ 横18.4㎝

(6)新曲 1帖

 題簽「新曲」 表紙は小菊などの草花文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付31丁、遊紙なし。1面8行書き。用字は漢字平仮名。濁点朱、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし。鹿点朱。奥書の後に「志んきょく」の貼紙。

 識語「于時元和元乙卯暦八月吉 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.3㎝ 横18.4㎝

(7)和田酒盛 1帖

 題簽「和田宴」。表紙は撫子などの草花鴛鴦文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付30丁、遊紙なし、1面8行書き。用字は漢字平仮名、稀に片仮名。濁点朱、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語「元和丙辰暦皐月中旬 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.3㎝ 横18.4㎝

(8)切兼曾我 1帖

 題簽「一満箱王」。表紙は山樹木他文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付23丁、遊紙尾7丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし、庵点なし。

 識語「元和二三丁巳孟夏日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦24.3㎝ 横18.5㎝

(9)高館 1帖

 題簽「高館」。表紙は残月に玉兎、草の葉文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付33丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「元和三丁巳卯月日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.4㎝ 横18.5㎝

(10)大織冠 1帖

 題簽「大織冠」。表紙は葡萄蔓草文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付39丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、「太夫」「ワキ」などの指定あり、ゴマ点なし、庵点墨。

 識語「元和丁巳林鐘吉日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦26.7㎝ 横18.1㎝

(11)百合草若大臣 1帖

 題簽「百合草若大臣」。表紙は紅葉、小菊、撫子、松、鹿、猿、釣舟ほかの文様。見返金に金切箔散らし。半円を重ねた雲形を摺る。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付32丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。用字は、漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点ナシ、庵点ナシ。

 識語「元和三丁巳壮月中旬」 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦25.9㎝ 横18.4㎝

(12)新曲

 題簽「新曲」。表紙は、トクサ、タデ、他の文様。見返金地に金切箔砂子散らし。本文は、色変り鳥の子、金泥下紙。列帖。墨付33丁、遊紙尾1丁。1面8行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし、句読朱、音曲墨、ゴマ点墨、庵点朱。

 識語「元和四年戊午五月二日 桃井之孫幸若六世 幸若小八郎大夫安信(花押)、その上に白い壺印を通す」

 ▲25.1㎝ 横18.2㎝

(13)富樫 1帖

 題簽「勧進帳」。表紙は鹿、樹木、山の文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付13丁、遊紙尾3丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点墨。句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「元和四年仲夏上旬 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(14)笈探 1帖

 題簽「笈捜」。表紙は家、人物、草花の文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付17丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は、漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「于時元和第四暦ズイ賓吉日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(15)信田 1帖

 題簽「信太」。表紙は松鹿山の文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付46丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし。句読墨、音曲なし、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「于時元和四年五月吉日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.2㎝ 横18.5㎝

(16)満仲 1帖

 題簽「満仲」表紙は、飛鳥、萩、薄ほかの文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、変質がひどく茶色金属光沢あり、列帖。墨付28丁、遊紙なし.1面9行書き。用字は漢字平仮名、稀に片仮名を交える。濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。 

 識語「于時元和四年五月吉日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(17)鎌田 1帖

 題簽「鎌田」。表紙は家屋、樹木、人物の文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付22丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「元和第四暦戊午孟秋吉日」識語の下に「かまた」の帖紙がある。

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(18)伏見常盤 1帖

 題簽「伏見常槃」。表紙は流水、水草文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付16丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし。句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「于時元和第四暦戊午八月吉日」。

 ▲縦27.1㎝ 横19.5㎝

(19)夜討曾我 1帖

 題簽「夜討曾我」。表紙は葡萄、霊獣文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付30丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は漢字平仮名、濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「元和四年戊午菊月日」

 ▲縦27.1㎝ 横18.1㎝

(20)築島 1帖

 題簽「兵庫築島」。表紙は葡萄、霊獣文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付28丁、遊紙なし。1面9行書き。用字は、漢字平仮名。濁点なし。句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「于時元和四年戊午孟冬初五日書之畢」

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(21)景清 1帖

 題簽「景清」。表紙は流水小舟文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付6丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。用字は漢字平仮名。濁点なし。句読墨、音曲墨、ゴマ点なし。庵点なし。

 識語「元和四年戊午十月廿八日」

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(22)四国路 1帖

 題簽「四國落」。表紙は松枝小菊、千鳥文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付12丁、遊紙なし。1面8行書き。

 用字は、漢字平仮名。濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「元和四年林鐘下旬 行年七十三歳 如滴(花押)」

 ▲縦27.4㎝ 横18.4㎝

(23)笛巻 1帖

 題簽「笛巻」。表紙はトクサ、タデ他の文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付15丁、遊紙尾1丁。1面8行書き。

 用字は、漢字平仮名。濁点なし。句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「元和四年七月日 行年七拾三歳 如滴(花押)」

 ▲縦27.0㎝ 横18.1㎝

(24)腰越 1帖

 題簽「腰越」。表紙は竹虎文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付11丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名。腰越状の部分片仮名、濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「元和六年暢月上旬 桃幸若 行年七十三歳 如滴(花押)」

 奥書の次に下記の和歌がある。「伊豆ノ三嶋大明神ニテ能因法師詠え、心あらは小田の下益雄いとまあれや ないしろミつを空にまかせて、此哥ニテ忽ニ雨フル也」

 ▲縦27.0㎝ 横18.2㎝

(25)文覚 1帖

 題簽「文覚」。表紙は流水。小舟文様。見返金紙。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付17丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「寛永元年八月日 桃幸 行年七拾六歳也 如滴(花押)」

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(26)硫黄嶋 1帖

 題簽「硫黄嶌」。表紙は竹虎文様。見返金紙。本文はドウサ引鳥の子、列帖。墨付7丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名 稀に片仮名を交える。濁点なし、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「寛永元年八月日 桃幸 行政七十六歳 如滴(花押)」

 ▲縦27.0㎝ 横18.0㎝

(27)十番綴り本 1帖

 題簽「張良」「蓮莱嶌」「カイトリ」「鞍馬出」「馬揃」「那須與一」「四國落」(以上上段)「木曾願書」「未来記」「元眼曾我」(以上下段)を連記。

 内題なし、ただし各曲の境に以下の楮紙の貼紙がある。ほうらいノ嶋、かいとり、くらまいて、馬そろへ、なすの与市、けんふくそが。四国落、木曾願書、未来記(実は「鞍馬出」)には貼紙がない。なお「くらまいて」は実は「未来記」である。

 表紙は波文様。見返金無地。本文は、ドウサ引鳥の子、列帖。墨付48丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字片仮名。濁点なし、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。識語なし。

 ▲縦27.2㎝ 横18.4㎝

(28)入鹿 1帖

 題簽「入鹿大臣」。表紙は(前)葡萄、霊獣文様、(後)蔓草の花文様。見返金紙。本文は、やや薄手の鳥の子、列帖。墨付11丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。

 用字は漢字片仮名、稀に平仮名を交える。濁点墨、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語なし。

 ▲縦27.0㎝ 横18.6㎝

(29)伊吹 1帖

 題簽「伊吹落」。表紙は、山肌に丸い葉の草文様。見返金紙。本文はドウサ引鳥の子、列帖。墨付10丁、遊紙尾1丁。1面9行書き。

 用字は漢字片仮名。濁点墨、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語なし。

 ▲縦27.4㎝ 横18.4㎝

(30)文覚 1帖

 題簽「文覚」。表紙は鶉草文様。見返金紙。本文はドウサ引鳥の子、列帖。墨付13丁、遊紙尾2丁。1面9行書き。

 用字は漢字片仮名。濁点墨、句読朱、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語なし。

 ▲縦27.4㎝ 横18.4㎝

(31)日本記 1帖

 題簽「日本記」。表紙は褐色、無地。見返金紙。本文は美濃紙、下を袋に二つ折りし、重ねて列帖風に綴じる。墨付4丁、遊紙なし。1面6、7行書き。

 用字は漢字平仮名、片仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点墨。

 識語なし。

 ▲縦22.3㎝ 横13.5㎝

(32)八島 1帖

 題簽「屋嶋軍」。表紙は薄い褐色、無地。見返金紙。本文は、美濃紙、下袋の二つ折を列帖風に綴じる。墨付39丁、遊紙尾1丁。1面7行書き。

 用字は、漢字平仮名、稀に片仮名を交える。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点墨。

 識語なし。

 ▲縦21.8㎝ 横13.0㎝

(33)三木 1冊

 題簽「三木」。表紙は裏葉色に白色の雲藍で鶴亀を抄き出す。見返金紙。本文は、美濃紙、袋綴。墨付17丁。遊紙なし。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名、片仮名も交える。濁点墨。句読墨、付訓片仮名で稀にある。音曲墨、ゴマ点墨、庵点墨。

 識語なし。随所の上欄外に「小」と記した小紙片を貼付。一部に墨の縦線で消去した個所がある。

 ▲縦26.9㎝ 横18.8㎝

(34)本能寺 1冊

 題簽「本能寺」。表紙は裏葉色地に白色の雲、水辺の草を藍で抄き出す。見返金紙。本文は美濃紙、袋綴。墨付16丁。遊紙なし。1面9行書き。

 用字は漢字平仮名 片仮名も交える。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点墨、庵点墨。

 識語なし。随所の上欄外に「小」と記した小紙片を貼付。所々に墨による抹消がある。

 ▲縦26.8㎝ 横18.4㎝

(35)小舞集 Ⅰ (小八郎) 1帖

 題簽なし。表紙は中国風の家と人物の文様。見返金地金砂子、切箔散らし。本文は鳥の子色変り、金砂子散らし、金泥で下絵あり。列帖。墨付10丁。遊紙尾1丁。1面8行書き。

 用字は漢字平仮名。濁点なし、句読朱、音曲朱、ゴマ点墨、庵点朱。

 識語「元和四戊午歳卯月上旬 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押、その上に白い壺印)。」

 歌謡「……之内」と曲名を記す。

 ▲縦25.0㎝ 横18.1㎝

(36)小舞集 Ⅱ(小八郎) 1帖

 題簽なし。表紙は立波、蟹文様。見返金紙に金砂子、揉箔散らし。本文は鳥の子、色変り、列帖。墨付14丁、遊紙なし。1面8行書き。

 用字は漢字平仮名。濁点朱、句読朱、音曲朱・墨の二種、一部の曲に朱で「太夫」「ワキ」の書入れあり。ゴマ点なし、庵点朱(部分的にあり)。

 識語「元和四戊午卯月吉日 桃井 幸若小八郎大夫安信(花押)」

 歌謡に曲名を欠く。

 ▲縦25.5㎝ 横18.5㎝

(37)小舞集 Ⅲ(少兵衛) 1帖

 題簽なし。表紙は棕■文様。見返金紙に金切箔、揉箔散らし。本文は鳥の子、色変り、列帖。墨付18丁、遊紙なし。1面8行書き。

 用字は漢字平仮名。濁点墨、句読墨、音曲墨、ゴマ点なし、庵点朱。

 識語「于時元和四戊午暦林鐘上旬日 幸若少兵衛正利(花押)」

 歌謡に曲名を欠く。

 ▲縦26.4㎝ 横18.5㎝

(38)小舞集 Ⅳ (庄大夫) 1帖

 題簽「曲節集」。表紙は裏葉色無地。見返金銀砂子散らし。本文は鳥の子、列帖。墨付20丁、遊紙首尾各1丁。1面7行書き。

 用字は漢字平仮名、濁点なし、句読朱、音曲朱、ゴマ点墨、庵点なし。

 識語「貞亨戊辰初夏日 幸若丸八世末葉幸若庄太夫長明(花押)」

 曲名あり。

 ▲縦23.9㎝ 横18.3㎝

(39)小舞集 Ⅴ (八郎九郎) 1巻

 題簽なし。内題「音曲」。表紙なし(継紙のため)。本文は厚手鳥の子、金泥にて山、松などの下絵を画く。継紙(全5紙)。

 用字は漢字平仮名。濁点なし、句読朱、音曲朱。

 識語「元禄三嘉月日 桃井直常裔 幸若八郎九郎直政(花押)」

 礼紙あり。歌謡に曲名を記さない。

 ▲縦26.0㎝ 横253.5㎝

(40)〔音曲理論書〕 1帖

 題簽「九穴貝」。表紙は、浅葱地、打曇竹と蟹を藍で抄きこむ。見返金紙。本文は具引楮紙、列帖。墨付8丁、遊紙尾2丁。

 用字は漢字片仮名、平仮名、濁点・句読なし。

 ▲縦23.4㎝ 横17.2㎝

(41)〔難句抜書集〕 1冊

 題簽「抜書」。表紙は褐色無地。見返金地紙。本文は美濃紙、袋綴。墨付54丁、遊紙なし。1面12行書き。

 用字は漢字片仮名、濁点墨。

 識語なし。

 ▲縦15.1㎝ 横21.1㎝

附・渡申幸若流舞本之事(後欠) 1通(10紙)

 ▲縦25.5㎝ 横285.2㎝

 ・寛文拾三年十月十五日吉田半左衛門尉起請文 1通(2紙)

 ▲縦25.5㎝ 横43.2㎝

 ・五月十八日幸若小八郎太夫書状 3通(各1紙、折紙)

 ▲縦36.3㎝ 横52.6㎝

 (2)山土州(山田土佐守)宛

 本文省略

 ▲縦36.2㎝ 横54.1㎝

 ▲縦35.8㎝ 横54.0㎝

・十一月廿七日益田玄蓄書状 1通(1紙)

 ▲縦35.0㎝ 横49.5㎝

・扇子 1握

 両面とも金地に着色で山水図を描く。留金具、緒欠失。10橋のうち2橋欠失

 ▲骨長30.3㎝

・題簽 39枚

 予備に作成されたと思われるもので、以下の39まいがある。包紙に「外だい紙」と書かれる。

 日本紀、硫黄島、入鹿大臣、文覚、大織冠、木曾願書、百合草若大臣、那須与一、満仲、敦盛、信太、景清、鎌田、蓬莱山、伏見常槃、九穴貝、伊吹落、馬揃、兵庫築島、笛巻、高舘、未来記、一満箱玉、鞍馬出、元眼曽我、烏帽子織、和田宴、腰越、夜討曽我、四國落、十番斬、司士、張良、勧進帳、新曲、笈捜、三木、屋嶋軍、本能寺

 ▲縦9.2㎝ 横3.0㎝ほか、各紙とも微差ながら法量を異にする。

・納箱 1合

 溜塗、書箪笥型、抽出2、箱書「舞之本」。

 ▲縦34.7㎝ 横23.2㎝ 高34.7㎝



参考情報関連
参考情報

その他参考となる事項

(1)幸若舞

 曲舞、舞々とも呼ばれる。南北朝時代の武将桃井直常の孫、直詮(幼名幸若丸、1393-1470)が比叡山での修業中、源平の合戦を叙述した草子に節をつけてうたったのが山僧たちの人気を博し、人々がその名をとって幸若舞と呼ぶようになったといわれる。内容的には、戦記物が多い。しかし情趣が深く、はなやかな語り口であったため、織田信長を初めその後の武人に愛好された。

 正統を伝えたいわゆる越前幸若舞は、将軍の庇護をうけていたが、明治維新で絶えてしまった。なお、今日、天正10年に筑後に下り菊池家の保護をうけたものが、福岡県山門郡瀬高町大江にわずかに残っている(福岡県指定無形民俗文化財、上演1月20日)。大江所伝の台本には42番の曲目が伝わっている。

(2)毛利藩における上演記録

 毛利家文庫(山口県文書館蔵)の規式関係記録の中で、「御規式帳異格萩五」に次の記事が見える。




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