名称関連 | 文化財名称 | 松崎古墳出土品 |
要録名称 | 松崎古墳出土品 三角縁神獣鏡 四獣鏡 内行花文鏡 琥珀製勾玉 滑石製勾玉 碧玉製管玉 個 鉄刀 鉄剣 平根鉄鏃 長茎鉄鏃片 鉄手斧 鉄鍬先 鉄鎌 鉄手鎌 付 箱式石棺 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 考古資料 |
指定年月日 | 昭和61年10月24日(山口県教育委員会告示 第7号) | |
所在地関連 | 所在地 | 宇部市琴芝一丁目1-33 (宇部市立図書館寄託) |
所有者関連 | 所有者 | 文化庁 |
(三角縁神獣鏡) 一面
(四獣鏡) 一面
(内行花文鏡) 一面
(琥珀製勾玉) 一個
(滑石製勾玉) 八個
(碧玉製管玉) 一四個
(鉄刀) 一口
(鉄剣) 一口
(平根鉄鏃) 二本
(長茎鉄鏃片) 六本
(鉄手斧) 四個
(鉄鍬先) 二個
(鉄鎌) 二個
(鉄手鎌) 四個
(箱式石棺) 一基
【品質・形状及び寸法】
(1)三角縁神獣鏡 面径20.7㎝
青銅製倭鏡。全面緑青に覆われ鋳上りも良質でない。したがって、鏡背文はかなり不明瞭である。鏡面は縁端で7mmの反りがあり三角縁は鋭利である。突線帯で2区に分けられた内区の内側の主文帯には、6個の乳によって区分され求心的に配置された座形神像と獣形とを交互に配する三神三獣鏡型式をとる。神獣像や乳の周囲には唐草文風の細線文が配されていた痕跡が認められる。内区外側は8個の乳によって区分され、乳間に神像、魚形、唐草文がめぐらされている点がこの鏡の特徴である。本来この外帯には蛙、魚、鳥獣などが配されるのが一般的であるが、神像を採り入れたのは珍しい。(この鏡を三神三獣鏡と呼ぶかどうかここに問題がある。)外区は突線圏で三区に分けられ、外側から内行陽起鋸歯文帯、複線波文帯、唐草文帯の順になる。この鏡の原鏡は獣帯文三神三獣鏡であるが、これに福岡県沖ノ島16号祭祀遺跡出土の唐草文帯三神三獣鏡などの倭鏡文様が組み合わさっているとみられる。沖ノ島鏡の年代は4世紀後半から5世紀前半代に位置づけられている。
(2)四獣鏡 面径14.8㎝
表裏共錆に覆われているが、一部に残る漆黒色の銅色から鏡質は比較的良質である。鏡面の反りは4mm。素文平縁。外区は素文帯、つづいて外行陽起鋸歯文帯、複線波文帯となる。内区の主文は4個の乳の間に各々左まわりに疾走する側面観の獣形を配す。半肉彫。獣形の周囲には先端を渦状に巻く雲文を鋳出し、空間を埋めている。この獣形が中国古式思想にあらわれる霊獣であることを示している(馬又は麒麟)。外区に銘帯があるが、銘字自体はすでに擬銘化していて倭鏡であることがわかる。
(3)内行花文鏡 面径11.7㎝
全体の約半分近くを欠損しているが、この欠損は埋葬当時からのものである。鏡面の反りは3㎜。全面錆に蔽われていて鏡質もさして良くない。表裏の一部に赤色顔料が付着している。内区花文は六花文、中央に珠文帯、その内、外区に櫛歯文帯をめぐらす。鏡背文様の鋳上がりは全体に鋭利さに欠ける。内行花文鏡の倭鏡としては典型的な中型鏡である。全体の構成はいくつかのこの種の鏡文を混用している。
(4)琥珀製勾玉
大型の勾玉で、下半3分の1を欠損している。残っている長さは5㎝。丁字頭、琥珀特有の細かなひびが入っている。
(5)滑石製勾玉
8個のうち2個が長さ4㎝、6個が1㎝。前者のうち1個が手斧にくっついている。
(6)碧玉製管玉
長さ2.9㎝の大型の管玉と、長さ0.7㎝~1.4㎝の小型のものがある。
(7)鉄刀
3口分がそれぞれ破損している。木製の柄が残っている部分が見られる。
(8)鉄剣
長さ40㎝。
(9)鉄鏃
平根の鉄鏃2本と、長茎で刀子型の片刃式鉄鏃片6本がある。鉄刀に錆着しているものも現在そのままとなっている。
(10)鉄手斧
長さ8㎝。刃幅4㎝。
(11)鉄鏃先
刃幅6.5㎝~8㎝。
(12)鉄鎌片
長さ9㎝~12㎝。
(13)鉄手鎌片
長さ、幅共に小さく副葬品のミニチュアとも考えられる。
(14)箱式石棺
長さ296㎝、幅103㎝(内法長さ260㎝、幅75㎝)。蓋石の長さ353㎝、幅139㎝。石材の厚さ15~23㎝。(側石各3枚、妻石を中に組入れて4枚の蓋石で覆っている。内面には赤色顔料が塗布されていた。)材質、花崗岩。
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