名称関連 | 文化財名称 | 毛利秀就関係資料 |
要録名称 | 毛利秀就関係資料 太刀 銘豊後國□定秀 拵付 馬寮馬具 付 寛永三年拝領太刀馬覚書並びに寮ノ馬絵図 寛文十二年寮之馬具拝領関係古文書 寮之御馬図 総鎖具足 兜・小具足付 付 八幡名号 具足櫃 金小札紅白糸威胴丸(朝顔小具足)兜・大袖・小 具足付 付 具足櫃 具足下着類 付 床几 納箱 長裃 直垂 産衣直垂 産衣 印判箱 付 正保二年入日記(慶安四年追記) | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 歴史資料 |
指定年月日 | 昭和59年4月10日(山口県教育委員会告示 第1号) | |
所在地関連 | 所在地 | 防府市多々良1丁目15-1 |
所有者関連 | 所有者 | 財団法人 防府毛利報公会 |
(太刀銘豊後國□定秀拵付) 一口
(馬寮馬具) 一具(九箱入)
(寛永三年拝領太刀馬覚書並びに寮ノ馬絵図) 一巻
(寛文十二年寮之馬具拝領関係古文書) 一巻
(寮之御馬図) 一巻
(総鎖具足 兜・小具足付) 一領
(八幡名号) 一流
(具足櫃) 二合
(金小札紅白糸威胴丸兜・大袖・小具足付) 一領
(具足櫃) 一合
(具足下着類) 一櫃二二点
(床几) 一基
(納箱 二合
(長裃 一領
(直垂 一領
(産衣直垂) 一領
(産衣) 三領
(印判箱) 一合一二点
(正保二年入日記) 一通
【形状・品質・法量】
(1)太刀 拵付(後水尾天皇より拝領)
鎬造、庵棟、腰反高く、小切先の大刀である。鍛は板目肌流れ、地沸つく。刃文は直刀、地沸つき、腰もとを大きく焼落す。総体に匂口うるみごころになる。彫物棒樋。茎裏に「豊後国□(僧)定秀」銘がある。目釘穴1。
▲長81.9㎝ 反り3㎝
・拵
金具はすべて赤銅魚子地、桐紋は高彫り色絵。鞘は金梨地菊桐紋蒔絵、渡巻、茶糸の菱糸つき。柄巻は鞘に同じ。鐔は青江形、大切羽つき。
▲長110㎝ 重要美術品(昭和8年7月25日認定)
(2)馬寮馬具 9箱入
ア鞍 1背
有海形、梨地、菊桐紋金具付き、州兵・居木先は、真覆輪。居木2枚各裏に「鶴屋」「上もりとの」の墨書がある。
▲高(前)27.6㎝ 高(後)28.2㎝
前後幅36.8㎝
イ鐙 1掛
鉄製、梨地、菊桐紋金具付き、沓込舌先は光明朱塗り。紋板は三蓋菱透し、真鍮覆輪を付ける。
▲高26.5㎝ 幅13.2㎝
ウ■(シタグラ) 1背
切付革豹植毛、小縁紫韋白花菱紋、中に真毛氈が入る。裏は晒布肌付。表裏とも革、黒塗。
▲高43.0㎝ 幅(最大)51.5㎝
<肌付>高41.5㎝ 高31.3㎝
エ鞍敷 1背
表は紅地牡丹文錦、裏は紅平絹。
▲前後35㎝ 左右29㎝
オ手綱 1筋
萌葱白紫段染の綾
▲長367㎝ 幅45㎝
カ差縄 牽差縄共 4本
白木綿撚縄
▲(差縄のうち1本)長63.2㎝
キ手綱 1筋
紫染麻布
▲長320㎝ 幅32㎝
ク面懸助 1掛
真紅八つ打
▲長23㎝
ケ飾覊 1組
漆塗金箔革 紺麻撚紐付
▲長43.7㎝ 幅10㎝
コ鞦 1掛
真紅唐糸仙台織連省厚総
▲(面懸)紐長180㎝ 総長12.5㎝
(胸懸)紐長300㎝ 総長23.5㎝
(尻懸)紐長439㎝ 総長38㎝
サ鏡銜 1口
刻銘「□(市カ)口清五□」「□(奈カ)正平□」
▲鏡径7.6㎝ 立聞高12.5㎝
喰長21㎝ 引手長11㎝
シ表腹帯 1筋
赤地牡丹文錦、先端に真■■具付き、
▲長209.5㎝ 幅2.7㎝
ス障泥 1掛
熊植毛、裏は晒布。緒付。
▲高87㎝ 幅(最大)71.5㎝
セ力革 1掛
栗色漆塗。革豹植毛の貫鞘が付く。
▲長44.9㎝ 幅4.3㎝
(貫鞘)長38.5㎝ 幅6.8㎝
ソ鏡鞍 1具
鍍金、根緒紫革
▲鏡径6.2㎝ 長(現状)53.9㎝
タ鞍覆 1背
濃萌葱地紗桐鳳凰刺繍
▲長205㎝ 幅82.5㎝
チ馬沓 2足
紺麻草鞋編み
▲長19㎝ 幅15㎝
ツ馬柄杓 1口
梨地沢瀉紋、一字三星紋散蒔絵。三組紅丸打緒(大総付き)1本付く。
▲長66㎝ 口径13.5㎝ 高12㎝
(緒)長60㎝
※以上、重要美術品(昭和10年8月3日認定)
(附)・寛永三年拝領太刀、馬覚書並びに寮ノ馬絵図
(1)寮之馬一疋・太刀一腰拝領之覚 1通
▲縦31.8㎝ 横45.5㎝
(2)山内左近口上之覚 1通(折紙)
▲縦30.3㎝ 横45.5㎝
(3)太刀一腰之覚 1通
▲縦30.2㎝ 横45.6㎝
(4)鞍・鐙・鞭等の絵図
▲縦42.4㎝ 横372.7㎝
(5)■の絵図
▲縦65.4㎝ 横59.4㎝
(6)鞭・鐙の絵図
▲縦27.8㎝ 横40.0㎝
(7)馬(1頭)の絵図
▲縦42.3㎝ 横60.5㎝
(8)馬(2頭)の絵図
▲縦37.4㎝ 横102.1㎝
・寛文十二年寮之馬具拝領関係古文書
(1)包紙 2枚
▲縦20.6㎝ 横31.3㎝
▲縦24.2㎝ 横34.5㎝
(2)天保十一年七月五日覚書
▲縦25.0㎝ 横25.6㎝
(3)極月四日神谷民部書状 毛利隠岐宛(折紙2枚)
▲折紙1紙につき 縦30.4㎝ 横45.5㎝
(4)覚書(紙背まで墨付あり)
▲縦16.0㎝ 横35.8㎝
・寮之御馬図(紙本着色)
▲縦44.4㎝ 横204.2㎝
縦37.8㎝ 横48.8㎝(飾馬壱番)
縦37.8㎝ 横49.0㎝(飾馬弐番)
(3)総鎖具足 兜・小具足付
総体鉄重鎖繋ぎ、沢瀉丸文金具を散らし打つ。金具廻りは黒漆地沢瀉、桐唐草を蒔絵する。下散9間、肩当は羅紗包み亀甲継。
兜は綿帽子形鉢巻飾付きの黒鞄の兜鉢。瀉は板札5段の素懸威し、吹返は沢瀉紋。頬当は沢瀉紋入、垂5段を付す。
籠手、佩楯はカルタ札の垂鎖繋ぎ、沢瀉紋金具を打つ。臑当は本篠金、亀甲立挙付。
▲胴高38.5㎝ 草摺高36.5㎝
(兜)高29.2㎝ 鉢径(前後)25.2㎝
(附)・八幡名号
白絹地に「南無八幡大菩薩」を墨で板刷りする。
▲縦64㎝ 横33.3㎝
・具足櫃
溜塗り、牛革蓋覆を付ける。
▲縦37.1㎝ 横50.7㎝ 高30.5㎝
(4)金小札紅白糸威胴丸(朝顔小具足)
兜、大袖、小具足付(豊臣秀頼より拝領)
金盛上本小札、紅白糸威し、胴の仕立は長側4段、立挙3段、革摺6間4段下り。胸板に菊桐紋蒔絵がある。
兜は、烏帽子形、鉢のまわりに銀地で朝顔を描く。2段付。立物は獅吹返に蒔絵で桐紋をあらわす。
喉輪、垂3段下り。大袖は垂5段で冠板に菊桐紋蒔絵。
籠手は篠金、輪鎖繋ぎ。佩楯は亀甲縫。裾板3間。臑当3本篠。亀甲立挙付。
▲胴高27㎝
(兜)径<前後>27㎝ 高25㎝
(附)・具足櫃
黒漆塗、方形、覆蓋造
▲縦・横33.3㎝ 高47.3㎝
(5)具足下着類
ア冬具足胴着 1領 黒繻珍、破損
▲大95㎝ 裄67㎝
イ冬股引 1領 黒繻珍 破損
▲丈71.5㎝
ウ夏具足肌着 1領 晒布柿染単
▲身丈76.5㎝ 裄66㎝
エ夏股引 1領 茶苧浅葱(裏)晒布柿色
▲丈71㎝
オ腰当 2腰 黒天鵞絨 紫革金入 緒付
▲長26.2㎝ 横23.3㎝
カ腰当緒 1筋 唐草四ツ打 破損
▲(計測不能)
キ忍之緒 1筋 とし織唐茶
▲長263㎝
ク腕貫 2筋 紫四ツ打
▲長44.5㎝ 37㎝
ケ繰締緒 1筋 唐茶はけ打
▲長322.5㎝
コ上帯 1筋 紫羽二重
▲長315㎝ 幅6.5㎝
サ鉢巻 1筋 羽二重柿染
▲長160㎝ 幅41.5㎝
シ脚半 1対 天鵞絨
▲丈28㎝
ス具足羽織 1領 萌葱羅紗
金紙手鞠十六乳付
▲丈88.5㎝ 裄27㎝
セ銀紙采 1握 柄ほとんど欠失、柄は竹製で鹿革包。
ソ刀指(刀腰当) 1筋 栗色塗唐革、滑黒塗綰金打込。
タ腕貫 1筋 紫四ツ打
▲長27.5㎝
チ陣扇 1握 紅緒付、表は金地、裏は銀地で各朱日の丸をあらわす。12橋。
▲長32㎝
ツ母衣幅 1本 濃浅葱
▲長236㎝
テ単羽織 1領 黒地、縫糸が解かれる。
▲丈101.5㎝ 裄65㎝
ト猩々緋丸合羽 1領 倶襟
▲身丈113㎝ 裄122㎝
ナ黒羅紗丸合羽 1領
▲身丈81.5㎝ 裄73.5㎝
ニ黒羅紗袖付合羽 1領
▲身丈96㎝ 裄75㎝
(附)・床几
脚・軸は黒塗唐草文螺鈿、軸頭は三巴紋螺鈿。座部は革で花唐草文押出し。
▲幅34㎝ 奥行24㎝ 高43㎝
・納箱
溜塗、長方形、合口造、黒塗革の蓋覆(沢潟文入)付。
▲縦65.3㎝ 横40.7㎝ 高33㎝
(6)長裃(徳川家康より贈呈―慶長4年8月)
濃紺麻地丸に三つの葉葵紋入。紋は白揚茶上絵。中裁。
▲<上衣>身丈68㎝ 裄28㎝
<袴>丈139㎝
(7)直垂
香地丸に桐紋散し文様錦。紋は浅葱。白紫■袖括紐(紫丸打菊綴)付。
▲<上衣>身丈68㎝ 裄127㎝
<袴>丈75.5㎝
(8)産衣直垂
白絹地鶴亀松竹文。文は白絵で紋所の位置にある。
▲<上衣>身丈56㎝ 裄96㎝
<袴>丈57㎝
(9)産衣(徳川家康より贈呈)綱広・吉就所有。
ア紅絹紬地
小袖仕立振袖。裏は紅木綿。単紅油付紐付。
▲身丈64.5㎝ 裄36㎝ 袖幅10.5㎝
イ綾地段織色 段織色は紅萌葱、草花鶴丸丈。
袷仕立、毛抜合せ。裏は白木綿。襟は茜染紬。付紐の紅練貫地金摺箔朱線くくり文様がわずかに残る。
▲身丈56.5㎝ 裄29㎝
ウ紅紬地
袷仕立、振袖。裏は白木綿。襟付けに白真綿糸の縫がある。萌葱・白付紐の痕がある。
▲身丈52.5㎝ 裄29㎝ 袖幅6㎝
(10)印判箱
ア花押押型 木製、陽刻
▲縦3.4㎝ 横6.2㎝ 高6.5㎝
イ花押押型 木製、陽刻
▲縦3.8㎝ 横6.2㎝ 高4.0㎝
ウ「秀就」 水牛角製丸印、陽刻
▲径3.4㎝ 高2.4㎝
エ「心夫」 水牛角製丸印、陽刻、紐付
▲径2.2㎝ 高2.4㎝
オ「秀就」 水牛角製丸印、陽刻、紐付
▲径1.9㎝ 高2.9㎝
カ肉池
錫製楕円筒形、二重。
▲長径7.8㎝ 短径5.4㎝ 高7.7㎝
キ肉池
錫製円筒形
▲径5.6㎝ 高1.8㎝
ク香箱
鉛製円筒形、三重
▲径4.7㎝ 高9.4㎝
ケ硯箱
木製、長方形、覆蓋造り、黒漆塗、下須板付
▲縦21.9㎝ 横13.4㎝ 高4.1㎝
硯、真鍮水滴、筆2本墨(擦りさし)入
コ印判納袋 3
・紫革製 萌葱緒付 ▲丈25.5㎝
・唐革製 紅緒付 ▲丈11㎝
・唐革製 ▲丈13㎝
(附)・正保弐年二月十八日入日記(慶安四年正月八日追記) 1通(1紙)
▲縦30.0㎝ 横36.0㎝
その他参考となる事項
(1)刀工定秀
豊後国の鎌倉時代初期の刀工で、作風は九州ものの独特の古雅な作風を示して特色がある。
(2)太刀(豊後国定秀)の箱書
箱蓋裏に貼紙が付され、それに以下の墨書がある。
「此太刀天保六乙未十月砥調可被仰付之旨付満願寺被撰吉日自十月六日砥師矢田部重之進江於御寶蔵砥被仰付成就之上於同寺加持被仰付候事」
(3)寮ノ馬鞍之事 1冊
馬寮馬具に添えられるもので、昭和8年の年紀をもち、馬寮の馬拝領の由来、文久2年10月毛利敬親参内馬乗の記録などを認める。
(4)秀就公甲冑修理ケ所記録 1綴
総鎖具足の昭和11年の修理記録。毛利隆元の縹糸胸紅白威胴丸と同時に同人によって修理されている。
(5)申2月入日記 1通
「入日記
一、御産衣三ツ 但紐共
内壱ツ 但綾地裏木綿
弐ツ 但絹地紅裏木綿
一、御長上下 壱具
但御紋葵之丸 無地かちん
一、綴糸 壱包
(中略)
右御長上下ハ秀就公御袴着之節従権現様 被為進候分
己上 申ノ二月 」
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