名称関連 | 文化財名称 | 慶長国絵図 控図 |
要録名称 | 慶長国絵図 控図 周防国・長門国 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 歴史資料 |
指定年月日 | 平成1年6月12日 | |
所在地関連 | 所在地 | 宇部市大字小串1111番地の1(宇部市立図書館) |
所有者関連 | 所有者 | 宇部市 |
【形状・品質・法量】
〇法量 縦167㎝ 横315㎝(周防)
171㎝ 264㎝(長門)
〇紙数 30枚(周防) 25枚(長門)
〇墨書等
(1)周防(左下)
「 周防六郡高辻
并拾六万四千四百二十石二斗一舛二合
周防長門十四郡高辻 (印)
合廿九万八千四百八十石二斗三合」
裏書
「上 防州 京進ノ扣
(印) 」
(2)長門
「 長門八郡高辻
并拾三万四千五十九石九斗九升一合
(印)
むらさき筋ハ 郡境
あかき筋ハ 道
あをき筋ハ 川 」
裏書
「上 長州 京進ノ扣
(印) 」
※(朱方朱字印)は、いずれも「宇部文庫」。ま た、裏面四隅に黒印「福□封」(長方黒字印)が捺される。
〇郡付
墨・朱描の二重枠の短冊形の中に郡名、石高、 田畠数、物成高を記載。
〔例〕
「 高壱万六百六石四斗六升四合
田方九百十三町九段三畝拾歩
大嶋郡内
畠方四百十八町三段一畝
物成八千六拾四石三斗弐舛八合 」
大半は本紙に直接描かれるが、長門のうち豊 西・豊東・厚狭の3部の郡付は貼付の体裁。
〇村形
墨描で印形をあらわしたなかに村名を書き、郡毎に色別。「椿郷」「吉敷庄」などの例もある。村形の外に村高を記載。
〇地形描写
海陸を墨描で画し、海は青塗、陸は無地。海辺の砂州や砂嘴など砂地は白く塗る。山地は鳥瞰図風に描き、樹木繁茂のようすを表現。とりわけ長門のうち豊田郡の華山が入念に描きわけられ、「下山」の銘記がある。他に「長登山」(美祢郡)の記載がある。
〇人文事物描写
(1)城
長門国に萩城、長府の串崎城が、周防国に山口の鴻峯城が、岩国の横山城が描出される。
(2)その他
阿武川河口のデルタにわたる橋本橋が板橋の姿で描かれる。大津郡中に建物5棟の描写があり、記載はないが大寧寺と判断される。都濃郡中、郡付の下に「龍文寺」と朱書きされる。
(3)国境関係
周防・長門両国図は接合できる形に仕立てられ、周防は吉敷郡「賀川」の上に、長門は厚東郡「四ヶ小野」の下にそれぞれ朱描で合紋(「凵」)がある。
<周防>
玖珂郡境に「川限安藝ノ内」「安藝ノ内浅原」、都濃郡境に「石見ノ内吉賀郡」と逆書き書留めがあり、岩国沖合の甲島には国境が走って二分し、上半に「甲 安藝ノ内」、下半に「甲 周防ノ内」と表記される。
<長門>
関門海峡を隔てた門司側に、海岸線を白で粗描した上に、古城山を彩描して、「豊前門司」と郡付同様の二重枠短冊紙を貼付する。
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