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2020/12/24 【文化財小話】全国最多!山口県の天然記念物

 久々の更新となってしまいました。新型コロナで世の中が大きく変化する中、当課でも大きなメンバーチェンジがあり、現在、文化財保護班4人中3人が今年度からの新メンバーという構成で、日々の業務に取り組んでいます。

 さて、季節はすっかり冬。周南市の八代には今年も7羽(12/24現在)のツルが渡来しています。この八代のツルは、皆様ご存じのとおり「国の特別天然記念物」なのですが、実は山口県、国指定の天然記念物の数が44件と、全都道府県で最も多いのをご存じでしょうか?

 天然記念物は、文化財保護法上「動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む)、植物(自生地を含む)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む)で我が国にとって学術上価値の高いもの」と定義されており、天然記念物の中でも特に重要なものは「特別天然記念物」とされています。指定を受けると、原則として、事前の許可なしに現状を変更(動物の捕獲や植物の伐採等)することができませんので注意してください。なお、指定は国に限らず、県や市町でも行われていますが、今回は国指定のものについてご紹介します。

①動物10件(全国1位)
 県内で最も古い指定(大正10年)である八代のツルおよびその渡来地のほか、海にすむ魚類が生息している明神池(萩市)や、アジア特産のタヌキ2万頭の生息を理由に指定された向島タヌキ生息地(防府市)、山口ゲンジボタル発生地(山口市)などがあります。

②植物19件(全国6位)
 天然記念物に指定されている植物は、分布の境界(北限、南限)を示す所、分布自体が珍しい植物及び名木、巨樹、老樹などに分類され、川棚のクスの森(下関市)や小郡のナギ自生北限地帯(山口市)、エヒメアヤメ自生南限地帯(防府市)などがあります。

③地質鉱物15件(全国2位)
 特別天然記念物の秋芳洞、秋吉台(ともに美祢市)をはじめ、本県は地質の種類が豊富で、多くの優れた地質遺産を有していることから、しばしば「地質の博物館」と称されてきました。下関市の石柱渓、長門市の青海島、俵島及び龍宮の潮吹、萩市の須佐湾は、国の天然記念物であると同時に国指定の名勝でもあり、雄大な自然の景観を楽しむことができます。

 天然記念物は、植物の枯死などにより、残念ながら指定が解除になることもあります。自然環境の変化や、人口減少が進む中、天然記念物を維持管理するのは大変なことですが、本県においてそれを維持できているのは、まさに地域の人々の愛護活動の賜物だと思います。これからもより多くの方に天然記念物に興味、関心をお持ちいただき、地域の宝として大切に守り続けて頂けたらと願っています。

 当サイト中「学習サポート」文化財通史-天然記念物編では、天然記念物についてより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!(h)



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