去る12月11日、岩国市の錦帯橋周辺で、山口県文化財愛護協会(以下、愛護協会)主催の「第81回山口県文化財愛護教室」を開催しました。
当日は、岩国市教育委員会文化財保護課の藤田慎一文化財専門員に解説をお願いし、県内各地からお集まりいただいた十数名の参加者の皆様とともに、約一時間半をかけて錦帯橋及び岩国城下町を散策しました。
同エリアは、令和3年10月、「錦川下流域における錦帯橋と岩国城下町の文化的景観」として、国の「重要文化的景観」に県内で初めて選定されました。
「文化的景観」とは、人々が地域の自然・風土とかかわりながら生活・生業を行う中で、長い年月をかけて築き上げてきたその土地ならではの特徴的な景観のことで、その中で、地域の特色を示す代表的なものや、他に例を見ない独特なものが「重要文化的景観」とされています。
今回の愛護教室では、藩主居館や諸役所、重臣の屋敷等が置かれた横山地区、中下級の家臣屋敷や町人町等が置かれた岩国地区を実際に歩きながら、護岸や水路、浸水に備えた掘割や石垣による建物基礎の嵩上げの様子、「懸作り」と呼ばれる町屋の様子など、川と密接に関わった人々の工夫に富んだ暮らしぶりを垣間見ることができました。
また、錦帯橋が名所となって知られ、物見の賑わいにより経済的・文化的発展をもたらしたこと、それにより、城下町の趣を伝える町並みに、木造三階建の旅館や時代の特徴を示す店舗、桜並木等の新たな景観が調和的に生み出され、今に引き継がれていることも、現地で体感することができました。
錦帯橋で藤田文化財専門員(写真中央)の
解説に熱心に耳を傾ける参加者
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